01結論:図解には「文章で書けない情報」だけを担当させる

図解は、本文の内容を絵に描き直すための道具ではありません。文章や表で説明できることは、そのまま文章や表で書けば十分です。図解が担当すべきなのは、循環・時間軸・入れ子構造・分岐・位置関係という、文章では伝えにくい情報だけです。

生成AIは文章と図解を同時に量産できます。だからこそ「入れるかどうか」ではなく「何を図にして何を文章にするか」を、書き手ごとの感覚に頼らず判断基準で決める必要があります。図解生成は、『AIで記事を作る工程設計|構成から入稿までの分業表』が示す5工程のうち1つに対応します。

本誌は全記事に図解を義務付け、検品基準まで機械化しています。一次情報アーカイブは2026-08-07時点で56件に達し、うち約89%が一次情報です(自社実測)。図解の判断基準も、この一次情報主義を土台にしています。

検証環境は、Google Search Central公式ドキュメント群を2026-08-08に確認しています。対象は検索の仕組み・SEOスターターガイド・AI検索向け最適化ガイド・生成AIコンテンツの利用ガイダンス・画像SEOベストプラクティスです。

この記事で分かることは次の3点です。

  • 図解と文章がそれぞれ何を伝えるのに向いているか
  • 図解にすべき情報の5条件と、その判定手順
  • 本誌の機械検品が何を見ていて、何を見ていないか

02図解と文章はそれぞれ何を伝えるのに向いているか

文章は、定義・条件・理由づけのような、順番に読めば理解できる情報に向いています。読者は自分のペースで読み進め、必要な部分を読み返せます。1文ずつ正確さを積み上げられるのも文章の強みです。

図解は、複数の要素の関係を一目で把握させる情報に向いています。Google公式のSEOスターターガイドは、長い文章を段落や見出しで整理するよう勧めています(出典: Google Search Central・2025-12-18更新)。図解は、この「見通し」を文章より速く読者に渡す手段です。

観点文章が向く図解が向く
情報の性質定義・条件・理由づけ関係・構造・時間の変化
読み方順番に読み、必要な部分を読み返す一目で全体の位置関係を掴む
読者の負担読む速度は読者が選べる情報量が多いと一瞬で伝わりにくい
向かない例複雑な入れ子構造を文章だけで説明する単純な2択の比較(表で足りる)
文章と図解、それぞれが向く情報 文章が向く情報と図解が向く情報を2つの枠で対比した図。左枠は文章(横線のアイコン)、右枠は図解(つながった2つの箱のアイコン)。情報の性質・読み方・読者の負担という3項目を中央のラベルで示し、それぞれの枠に対応する特徴を1行ずつ記す。下部に、図には本文に無い軸を最低1本足すという判定基準を記す。 CONTENT PRODUCTION 文章と図解、それぞれが向く情報 文章が向く 図解が向く 情報の性質 定義・条件・理由づけ 関係・構造・時間の変化 読み方 順番に読み、読み返せる 一目で位置関係を掴む 読者の負担 速度は読者が選べる 情報量が多いと伝わりにくい 図には本文に無い軸を1本足す:時間・条件分岐・失敗時の行き先
文章が向く情報(定義・条件・理由づけ/順番に読む)と図解が向く情報(関係・構造・時間の変化/一目で掴む)を2枠で対比した図

Google検索のAI機能向けガイドは、高画質で関連性の高い画像や動画で本文を補強するよう勧めています(出典: Google Search Central・2026-07-14更新)。図解は、この「画像による補強」の一形態です。

ただし補強であって、置き換えではありません。文章を削って図解だけに差し替えると、読者は文脈を失います。生成AIは図と文章を同時に量産できるからこそ、どちらが主でどちらが補強かを書き手が決めておく必要があります。

03図解にすべき情報の5条件

本誌の執筆規約は、図解にすべき情報を5種類に絞っています。いずれも、文章で書くと読者が頭の中で組み立て直す手間が発生する情報です。

図解にすべき情報の5条件 循環・ループ、時間軸に沿った変化、入れ子構造、分岐とその先、位置関係・境界という5つの条件を、番号付きの横長カードで縦に5段並べた分類図。各段に条件名と説明を1行で示す。下部に、図から情報を1つ取り出し直上の本文と同じなら描き直しにすぎないという判定基準を記す。 CONTENT PRODUCTION 図解にすべき情報の5条件 いずれか1つも含まれなければ、図解にしない 1 循環・ループ:入札から学習、再配分へ戻るような繰り返しの構造 2 時間軸に沿った変化:アルゴリズム更新の前後で何が変わったか 3 入れ子構造:アカウントがキャンペーンを含み、広告グループを含む関係 4 分岐とその先:審査に落ちたあと、再申請するとどうなるかという枝分かれ 5 位置関係・境界:どこまでが自動化され、どこから先が手動なのか 判定:図から情報を1つ取り出し、直上の本文と同じなら描き直しにすぎない
図解にすべき情報の5条件(循環・ループ/時間軸に沿った変化/入れ子構造/分岐とその先/位置関係・境界)を番号付きで並べた分類図

判定方法は単純です。図から情報を1つ取り出し、直上の本文に同じことが書いてあれば、その図は文章の描き直しにすぎません。図には、本文に無い軸を最低1本足します。時間・条件分岐・失敗時の行き先のいずれかです。

04文章や表で足りるものを図解にしない判定手順

図解を作る前に、次の2ステップで「文章や表で足りないか」を確認します。

  1. 説明したい情報を1文で書き出す。入力は伝えたい内容、期待される出力は1文の要約
  2. その1文に、循環・時間軸・入れ子・分岐・位置関係のいずれかが含まれるか確認する。含まれなければ図解にしない

具体例で見ます。「8月17日からtCPA・tROASの挙動が変わる」という情報を1文で書き出すと、変更前と変更後という時間軸が含まれています。この場合は図解が向きます。

一方「自動入札には3種類ある」という情報には、時間軸も分岐も入れ子もありません。この場合は選択肢を横に並べた表で十分です。無理に矢印でつなぐと、実際には無い順序関係があるように読者に誤解させてしまいます。

このステップで見落としやすいのは、並列した項目の一覧です。選択肢が3つ並んでいるだけなら、表のほうが読者には速く伝わります。図解にすると、かえって余計な矢印や枠線が情報を隠してしまいます。

もう1つ見落としやすいのは、条件分岐に見えて実は1本道の手順です。「まずAをして、次にBをする」という順番があるだけなら、番号付きリストで十分です。枝分かれの先がそれぞれ違う結果に着地する場合だけ、図解を検討します。

05図解の機械検品は何を見て、何を見ていないか

本誌は、図解SVGの検品を機械化しています。検品項目は次の5つです。

検品項目基準見ている理由
最小フォントサイズ14px以上スマホの本文幅では図が0.43倍に縮む
文字行数の上限詰め込みすぎを検出行数が多いと縮小時に潰れる
図形数の上限詰め込みすぎを検出装飾要素が多いと主題が埋もれる
アクセシビリティ属性role="img"・title・descの有無画像を見られない読者への配慮
viewBoxの縦横比16:9を基本とするサムネイル表示で崩れない比率を保つ

数値の内訳は次のとおりです(verify_diagrams.pyを2026-08-08に実測確認)。

項目上限(要確認ライン)上限(要再制作ライン)
文字行数3440
図形数3444

この数値は、当初の目安だった要素数28〜32という数字から調整済みです。実際の図解群を集めて分布を測ったところ、要素数には見出しの装飾なども含まれ、目安どおりの範囲に収めると読める図まで機械が落としてしまうことが分かりました。可読性の本丸は要素数の多さではなく最小フォント14px以上で担保する方針に切り替え、要素数側は緩めに再設定しています。

Google公式のSEOスターターガイドは、画像にはわかりやすい代替テキストを付けるよう勧めています(出典: Google Search Central・2025-12-18更新)。Googleはインデックス登録の際、title要素やalt属性も処理すると説明しています(出典: Google Search Central・2025-12-18更新)。図解のtitleとdescは、この代替テキストの役割を兼ねています。

ただし、この5項目には見えない範囲があります。図形どうしの座標が重なっているかは、正規表現による要素カウントだけでは判定できません。本誌では、5項目すべてを通過した図解でも、画像化して目視した際に重なりが見つかった実例が2件あります(自社実測・2026-08-08確認)。座標を調整して重なりを解消しました。

機械検品は「読めない図を弾く」ところまでしか担当しません。「本文の情報を正しく図にできているか」は、人が目で見て判断する工程が別に必要です。

自社でこの2段構えを作る場合も、順序が重要です。先に機械検品で読めない図をふるい落とし、その後に人が画像化して意味の正しさを確認します。逆の順序にすると、読めない図に対して意味の判断という無駄な工程を割くことになります。

061枚目の図解はサムネイルになるという制約

本誌では、記事IDの末尾が「01」の図解が、記事一覧やカテゴリページのサムネイルとして使われます。1枚目だけは、他の図解と違う制約を持ちます。

1枚目は、記事全体の主題を表す図にします。細部の補足図を1枚目にすると、小さく表示されたときに意味が伝わりません。姉妹誌AIO Journalは2026-07-28時点で251本を公開しています(sitemap.xml実測)。本数が増えるほど、一覧で図が主題を表しているかが、記事のクリック率に影響しやすくなります。

Google公式の生成AIコンテンツ利用ガイダンスは、画像メタデータの正確性を優先するよう求めています(出典: Google Search Central・2025-12-31更新)。サムネイルという役割を持つ1枚目は、この「関連性」が特に問われる図です。

1枚目を選ぶときの実務手順は単純です。まず記事の結論を1文にまとめます。次に、その1文に最も近い図解を1枚目に置きます。2枚目以降は、本文の途中で読者が迷いやすい箇所に配置します。

1枚目の図解が表示される範囲 1枚目の図解(記事ID-01.svg)から3つの表示先へ矢印が伸びる図。表示先は記事一覧(3枚のカードのうち1枚がハイライト)、カテゴリページ(4枚のカードのうち1枚がハイライト)、記事上部(ページ上部のカバー画像としてハイライト)の3つ。下部に、1枚目は記事全体の主題を表す図にするという注記を記す。 CONTENT PRODUCTION 1枚目の図解が表示される範囲 記事一覧・カテゴリページ・記事上部 図解-01 主題を表す図 記事一覧 カテゴリページ 記事上部 1枚目は記事全体の主題を表す図にする(細部の補足図は避ける)
1枚目の図解が表示される3つの範囲(記事一覧・カテゴリページ・記事上部)と、そこで果たす役割を示す図

07図解を作るときつまずきやすい点

  • 直上の表や箇条書きをそのまま絵に描き直してしまう。情報を1つ取り出して本文と照合する手順を省くと起きやすい
  • 1枚に情報を詰め込みすぎ、機械検品の要素数上限に引っかかる。詰め込む前に2枚へ分けられないか検討する
  • 文字だけの図解を作ってしまう。文字が多いなら、それは図解ではなく文章に戻すべき情報である
  • 1枚目のサムネイル用の図に、細部の補足情報を選んでしまう。主題を表す図かどうかを別途確認する
  • 機械検品を通過したことを「正しい図解」だと思い込む。座標の重なりのように機械が見ていない範囲が残っている
  • 型ごとの図解下限を満たすために、内容の薄い図を数だけ増やしてしまう。1点でも文章で書けない情報を担当していれば十分で、点数を稼ぐための水増しは本末転倒である

Google画像SEOベストプラクティスは、代替テキストにキーワードを羅列しないよう明記しています(出典: Google Search Central・2026-03-03更新)。図解のtitleやdescも同じ考え方で、内容を過不足なく説明する文にします。

08図解チェックリスト

  • その図から情報を1つ取り出し、直上の本文と同じ内容になっていないか確認したか
  • 循環・時間軸・入れ子・分岐・位置関係のいずれかが図に含まれているか確認したか
  • 最小フォントサイズ14px以上を満たしているか
  • 図形数・文字行数が詰め込みすぎになっていないか確認したか
  • role="img"・title・descを付けたか
  • 1枚目は記事全体の主題を表す図になっているか
  • 機械検品を通過したあと、画像化して座標の重なりを目視で確認したか
  • 文字だけで構成された図解になっていないか確認したか

09FAQ

図解は何点入れればよいですか

本誌の執筆規約では、記事の型ごとに最低点数を定めています。徹底ガイド型は3点以上です。ただし点数を満たすことより、各図が文章で書けない情報を担当しているかを優先します。

図解にする情報とそうでない情報はどう見分けますか

図から情報を1つ取り出し、直上の本文に同じ内容が書いてあるかを確認します。書いてあれば、その図は文章の描き直しであり、図解にする必要はありません。循環・時間軸・入れ子・分岐・位置関係のいずれかが含まれるかも確認します。迷ったら、まず文章で1文にまとめてみるのが近道です。

図解を作らず、すべて文章と表だけで書いてはいけませんか

禁止はしていませんが、循環・時間軸・入れ子・分岐・位置関係のいずれかを含む記事では、文章だけだと読者が頭の中で組み立て直す手間が生じます。本誌は型ごとに図解の下限点数を設けているのも、この手間を減らすためです。

図解の機械検品はどこまでを確認していますか

最小フォントサイズ・文字行数・図形数・アクセシビリティ属性・縦横比の5項目です。図形どうしの重なりのように、機械検品が見ていない範囲は目視で確認する工程が別に必要です。

図解のtitleとdescは何のために付けますか

画像を見られない読者への配慮です。Google公式のガイダンスも、画像には内容を説明する代替テキストを付けることを勧めています。

1枚目の図解だけ特別な理由は何ですか

記事一覧やカテゴリページのサムネイルとして表示されるためです。細部の補足図ではなく、記事全体の主題を表す図にする必要があります。

文章と表とどちらで説明するか迷ったときはどうすればよいですか

情報が並列した項目の一覧であれば、多くの場合は表で十分です。循環・時間軸・入れ子・分岐・位置関係のいずれかが含まれる場合に限り、図解を検討します。