『AIで作る広告クリエイティブ、任せる範囲と守る範囲の線引き』は、画像生成を「下書きに使い、2つの表現ルールは人が守る」と整理しました。本記事はそのうち文字要素に絞り、どんな条件で崩れやすいか、事前に何を決めておけば配信事故を防げるかを設計します。

検証環境:Google広告ヘルプ・Google広告ポリシーヘルプ・Metaビジネスヘルプセンター・TikTok for Business公式ヘルプ。(2026-08-08、各社公式サイトを本文直接確認)

この記事で分かることは次の3点です。

  • Google・Meta・TikTokの生成AI画像機能が、公式にどこまで対応言語を明言しているか
  • 文字崩れを「公式が明言していること」と「各社の審査ルールから読み取れること」に分けて整理する視点
  • 文字要素をオーバーレイへ切り出すという、崩れそのものを避ける設計

01結論|文字崩れは対応言語の外側と、審査ルールの境界で起きる

生成AIが画像内に描いた文字の精度そのものについて、Google・Meta・TikTokのいずれも本稿執筆時点で具体的な保証を公表していません。公式に確認できるのはプロンプトの対応言語と、テキストを画像に含めてよいかという審査ルールまでです。

Google広告の画像生成ツールは、プロンプトを英語・オランダ語・フランス語・ドイツ語・イタリア語・日本語・ポルトガル語・スペイン語の8言語で受け付けます。(出典: Google広告で生成される画像について)。この8言語には日本語が含まれます。

文字崩れは、公式が明言する範囲と本記事の観察の外側で起きる 2つの円で示したベン図。左の円は「公式が明言していること」で、対応言語(Google広告は8言語・7言語)と、テキストオーバーレイを含む画像は審査ルール上「制限付きで許可」されており、P-MAXキャンペーンではアスペクト比ごとにオーバーレイなしの画像も1つ以上使用することが推奨されている点が入る。右の円は「本記事が観察した設計上の共通点」で、Google・Meta・TikTokとも画像そのものを生成する機能と文字・オーバーレイを扱う機能を別名称で持ち、テキストは別レイヤーとして後から重ねる製品設計になっている点が入る。2つの円の外側、圏外の位置に「文字の描画精度そのものは非公表」という注記があり、対応言語や審査ルールを確認しても、生成された文字そのものが正確に描かれる保証は、いずれの円にも含まれないことを示す。 AD-CREATIVE 文字崩れは、公式が明言する範囲の外側で起きる 公式が明言 本記事の観察 対応言語(Google広告 画像生成8言語/P-MAX7言語) オーバーレイ画像は 「制限付きで許可」 (P-MAXは非オーバーレイも 推奨) 3社とも、画像生成機能と 文字・オーバーレイ機能を 別名称で持つ(本記事が 3社の公式ページから観察) 圏外|どちらの円にも入らない 文字の描画精度そのものは非公表
文字崩れは公式が明言する範囲の外側で起きる|対応言語・審査ルールと本記事の観察を示すベン図

02Google広告の画像生成、対応言語と文字崩れの関係を確認する

Google広告には、文字要素に関わる生成AI機能が2種類あります。1つは画像そのものをプロンプトで生成する機能、もう1つはP-MAXのアセットグループを丸ごと生成する機能です。この2つは対応言語が異なります。

機能プロンプトの対応言語日本語
画像生成ツール(アセットスタジオ)英語・オランダ語・フランス語・ドイツ語・イタリア語・日本語・ポルトガル語・スペイン語(8言語)含まれる
P-MAXアセットグループの生成AI(見出し・説明文を含む)英語・オランダ語・フランス語・ドイツ語・イタリア語・ポルトガル語・スペイン語(7言語)含まれない

画像生成ツールの利用要件は、管理画面を8言語のいずれかで使用していることです(出典: Google広告で生成される画像について)。一方、P-MAXアセットグループの生成AIは、管理画面が7言語のいずれかであることに加え、ランディングページもその7言語で書かれている必要があります。(出典: 生成AIを使用してP-MAXのアセットグループを作成する方法)。

つまり「Google広告の生成AIは日本語に対応していない」という理解は、機能によって正確でも不正確でもあります。プロンプトで直接画像を生成する機能は日本語に対応し、P-MAXのテキストアセット生成は日本語のランディングページを受け付けません。この違いを混同すると、実際には使える機能を見送ってしまいます。

03文字崩れが起きやすい条件を、公式情報から整理する

対応言語の話とは別に、生成された画像に文字を含めてよいかという審査ルールもあります。Google広告の画像アセットのフォーマット要件は、オーバーレイ画像を「禁止」ではなく「制限付きで許可」と定めています(出典: 画像アセットのフォーマットの要件)。この要件ページは検索キャンペーンの画像アセットの要件としても案内されています(出典: 検索キャンペーンの画像アセットについて)。

P-MAXキャンペーンでは、オーバーレイ付きの画像を使用できます。ただしアスペクト比ごとに、オーバーレイなしの画像を1つ以上用意することが推奨されています(出典: 画像アセットのフォーマットの要件)。同じ要件には、変形や歪みで主題がわかりにくい「乱れた画像」は許可されないとも明記されています(出典: 画像アセットのフォーマットの要件)。文字が崩れて判読できない画像は、この「乱れた画像」の考え方に照らして審査を通らない可能性があります。

レスポンシブディスプレイ広告のガイドラインでも、画像の上にテキストを挿入しないことが推奨されています。理由は次の2点です(出典: レスポンシブディスプレイ広告のベストプラクティスガイド)。

  • アセットが組み合わされたとき、オーバーレイテキストが広告見出しと重複して表示されることがある
  • サイズが小さい広告では、オーバーレイテキストが読めなくなる可能性がある

この2つの理由は、文字が生成AIによって崩れているかどうかとは関係ありません。人が手で入れた正確なテキストであっても、小さいサイズでは読みにくくなるという、表示サイズそのものの制約です。生成AIで文字が崩れている場合は、この制約にさらに読みやすさの問題が重なります。

04Meta・TikTokの生成AI機能でも、文字崩れは避けられないか

Metaの広告マネージャは、Advantage+クリエイティブという機能群の中に「画像生成(AI)」「オーバーレイを追加(AI)」を備えています。「背景生成(AI)」「テキスト生成(AI)」を、それぞれ別の機能名として並べています(出典: Advantage+クリエイティブについて)。

この機能分けは、画像そのものを生成する処理と、文字を重ねる処理をMeta自身が別の工程として設計していることを示しています。対応言語については、本稿執筆時点でMeta公式ヘルプに具体的な言語リストの明記が見当たりません(2026-08-08確認)。

TikTokのSymphony Creative Studioも、静止画像を生成する「Image generation」機能を持っています。(出典: Symphony Creative Studioについて)。TikTok for Businessの日本語ヘルプページ自体は日本語で提供されていますが、画像生成プロンプトの対応言語を明示した一覧は、本稿執筆時点で確認できませんでした。

3媒体に共通するのは、画像生成機能と文字関連の機能(オーバーレイ・テキスト生成)を別の名前で分けている点です。この設計は、文字を含む画像を作る場合、生成した画像へ文字を1回で焼き込むのではなく、別工程として扱うほうが安全だという業界共通の考え方を反映していると読み取れます。

Google・Meta・TikTok、画像生成と文字機能は別名称 Google・Meta・TikTokの3媒体を縦に並べ、「画像そのものを生成する機能」と「文字・オーバーレイを扱う機能」を横に並べた対比表。Googleは画像生成ツール(アセットスタジオ)とP-MAXの自動拡張画像(テキスト/ロゴのオーバーレイ)、Metaは画像生成(AI)とオーバーレイを追加(AI)/テキスト生成(AI)、TikTokはImage generationと画像生成と同じSymphony Creative Studio内での提供という機能名を持つ。下部の帯で、3媒体とも画像生成機能と文字・オーバーレイ機能を別名称で持ち、文字を1回で焼き込まず別工程として扱う設計が業界共通であることを補足する。 AD-CREATIVE 3媒体とも、画像生成と文字機能は別名称 媒体 画像そのものを生成する機能 文字・オーバーレイを扱う機能 Google 画像生成ツール(アセットスタジオ) P-MAX自動拡張画像(オーバーレイ) Meta 画像生成(AI) オーバーレイを追加(AI) テキスト生成(AI) TikTok Image generation (画像生成と同じStudio内) 3媒体とも、画像生成機能と文字・オーバーレイ機能を別名称で持つ 文字を1回で焼き込まず、別工程として扱う設計が業界共通 出典: Google・Meta・TikTok各社公式ヘルプ(本文参照)
Google・Meta・TikTok、画像生成と文字・オーバーレイ機能は各社とも別名称

05文字要素はオーバーレイで足す、という回避策

文字崩れを避ける最も確実な方法は、生成AIに文字を描かせず、文字要素を別レイヤーのオーバーレイやテキストアセットとして後から重ねることです。オーバーレイ画像自体は禁止されておらず、P-MAXが非オーバーレイ画像も1つ以上推奨している方向性とも整合します。

P-MAXの「自動的に拡張された画像」機能は、スマートトリミングとテキストアセット・ロゴアセットを組み合わせたオーバーレイで画像を拡張します。この機能は、Googleの自動化技術によって画像が拡張されると説明されています(出典: P-MAXの自動的に拡張された画像について)。

オーバーレイで文字要素を足す設計に切り替える手順は、次の3ステップです。

  1. 生成AIには背景・構図・被写体など、文字を含まない要素だけを作らせる
  2. 見出し・価格・CTAなど必ず正確に伝えたい文字は、テキストアセットとして別入力する
  3. 配信前に、生成した背景画像と文字要素を重ねたプレビューで読みやすさを確認する

この設計であれば、文字の描画精度を生成AIに依存しません。崩れる可能性があるのは背景・構図側だけで、文字そのものは通常のテキストレンダリングと同じ精度で表示されます。

06文字崩れを避ける運用ルールを事前に決めておく

画像内に文字を含む生成を行う場合は、配信前の確認を仕組み化しておく必要があります。確認の手順は次のとおりです。

  1. 生成した画像を等倍以上に拡大し、文字部分だけを目視で確認する
  2. 判読できない文字・不自然な文字の並びがあれば、その画像を採用しない
  3. 採用可否の基準(誰が最終確認するか)をあらかじめチームで決めておく
  4. 問題があった生成結果は、プロンプトと合わせて記録し、次回の指示改善に使う

Google広告の画像生成ヘルプは、キャンペーンに追加する前に生成された画像が正確であることを確認するよう求めています(出典: Google広告で生成される画像について)。この「正確性の確認」は、内容の誤りだけでなく、文字要素の崩れの確認も含めて運用するのが安全です。

07文字崩れ対策を媒体横断で運用する|対応状況の比較表

生成AI画像の文字崩れ対策は、Google単体では完結しません。Meta・TikTokを含めて横断で運用する場合は、各社の画像生成機能と文字関連機能の対応状況を一覧にしておくと、確認漏れを防げます。

媒体画像そのものを生成する機能文字・オーバーレイを扱う機能プロンプト対応言語の明記状況
Google広告画像生成ツール(アセットスタジオ)P-MAXの自動的に拡張された画像(テキストアセット・ロゴアセットのオーバーレイ)画像生成ツールは8言語、P-MAXアセットグループの生成AIは7言語を公式に明記
Meta画像生成(AI)オーバーレイを追加(AI)・テキスト生成(AI)具体的な言語リストの明記は見当たらない
TikTokImage generation(画像生成と同じSymphony Creative Studio内で提供)プロンプト対応言語を明示した一覧は確認できない

この一覧から分かるのは、対応言語を具体的に明記しているのはGoogle広告だけだという点です。Meta・TikTokを併用する場合は、対応言語を推測で判断せず、都度公式ヘルプで確認する運用に切り替える必要があります。

新しく生成AI画像機能を導入するときの確認手順は、次のとおりです。

  1. 使う媒体の公式ヘルプで、画像生成機能とテキスト・オーバーレイ機能が同じ名前で提供されているかを確認する
  2. プロンプトの対応言語が明記されているかを確認し、明記が無ければ小さく配信して目視で結果を確認する
  3. 確認した内容を社内のチェックリストへ反映し、次回の担当者が同じ調査をやり直さずに済むようにする

この確認作業を継続運用に組み込む手順は、次の2ステップです。

  1. 上記の比較表を社内Wikiや運用マニュアルに転記する
  2. 半年に一度、各社ヘルプページの更新有無を確認し、比較表を最新の内容に更新する

08文字崩れでつまずきやすい点

文字要素の扱いでつまずきやすい点を整理します。

1つ目は、「日本語未対応」という情報を機能を区別せずに広げてしまうことです。画像生成ツールは日本語プロンプトに対応していますが、P-MAXアセットグループの生成AIは対応していません(出典: 生成AIを使用してP-MAXのアセットグループを作成する方法)。

2つ目は、「オーバーレイ画像は検索広告の画像アセットで一律禁止」と誤って理解してしまうことです。実際は「制限付きで許可される」扱いで、P-MAXではオーバーレイなし画像も併用することが推奨されています(出典: 画像アセットのフォーマットの要件)。

3つ目は、拡大確認を省略し、サムネイル表示のまま採用可否を判断することです。小さい表示では崩れに気づきにくく、実際の配信サイズで初めて判読不能だと分かることがあります。

生成AI画像の入稿判断フロー|文字を含むかどうかの分岐 「文字を含む生成か」という問いから始まる分岐フロー図。いいえの場合は「そのまま審査ルール確認へ」進み、テキストオーバーレイを含む画像は審査ルール上「制限付きで許可」されており、P-MAXキャンペーンではアスペクト比ごとにオーバーレイなしの画像も1つ以上使用することが推奨される点を確認する。はいの場合は「等倍以上に拡大して文字部分だけを目視確認」した上で、判読できない文字があれば「オーバーレイへの切替を検討」するという2段階の経路に進む。下部の帯で、拡大確認と審査ルールの両方を配信前のチェックに組み込み、崩れた文字の判定基準を事前に決めておくことを補足する。 AD-CREATIVE 生成AI画像の入稿判断フロー 文字を含む生成か いいえ はい そのまま審査ルール確認へ オーバーレイ画像は 制限付きで許可 (P-MAXは非オーバーレイも推奨) 等倍以上に拡大して 文字部分だけを目視確認 判読できない文字があれば オーバーレイへの切替を検討 拡大確認と審査ルールの両方を、配信前のチェックに組み込む 崩れた文字の判定基準(誰が最終確認するか)を事前に決めておく
生成AI画像の入稿判断フロー|文字を含むかどうかで拡大確認・審査ルール確認へ分岐

09文字崩れ回避チェックリスト

  • 使いたい生成AI機能が、画像生成なのかテキストアセット生成なのかを区別した
  • 対象機能の公式ヘルプで、プロンプトの対応言語を確認した
  • 検索広告向け画像アセットでは、テキストオーバーレイが「制限付きで許可」されることを理解した
  • レスポンシブディスプレイ広告では、オーバーレイテキストを避ける推奨を確認した
  • 文字を含む生成結果は、等倍以上に拡大して目視確認する運用にした
  • 正確に伝えたい文字は、オーバーレイやテキストアセットとして別入力する設計にした
  • 崩れた生成結果とプロンプトを記録し、指示改善に使う仕組みを作った

10FAQ

AI生成広告画像は、日本語の文字を正確に描けますか

各社とも、生成画像内の文字の描画精度について具体的な保証は公表していません。確認できるのはプロンプトの対応言語までで、Google広告の画像生成ツールは日本語プロンプトに対応しています(出典: Google広告で生成される画像について)。

Google広告の生成AIは日本語に対応していないと聞きましたが、本当ですか

機能によります。P-MAXアセットグループの生成AI(見出し・説明文などのテキストアセットを含む)は、対応言語7言語に日本語が含まれません。(出典: 生成AIを使用してP-MAXのアセットグループを作成する方法)。一方、画像そのものを生成するツールは日本語プロンプトに対応しています。

文字入りの生成画像を検索広告の画像アセットに使えますか

使えますが、無条件ではありません。画像アセットのフォーマット要件では、オーバーレイ画像は「制限付きで許可」と区分されています(出典: 画像アセットのフォーマットの要件)。P-MAXキャンペーンでは、アスペクト比ごとにオーバーレイなしの画像も1つ以上用意することが推奨されています。生成AIで文字を描かせるより、テキストアセットや通常のオーバーレイで正確な文字を重ねるほうが安全です。

文字崩れを避けるいちばん確実な方法は何ですか

生成AIに文字そのものを描かせず、背景や構図だけを生成させて、文字はオーバーレイやテキストアセットとして別に重ねる設計です。P-MAXの自動拡張機能も、テキストアセットとロゴアセットを組み合わせたオーバーレイという方式を採用しています(出典: P-MAXの自動的に拡張された画像について)。

Meta・TikTokの生成AI画像機能も、Googleと同じ注意点が当てはまりますか

対応言語の明記状況は媒体ごとに異なるため、都度公式ヘルプで確認する必要があります。ただしMeta・TikTokとも、画像生成とテキスト・オーバーレイの機能を別名で分けて提供している点は共通しております(出典: Advantage+クリエイティブについて)。文字要素を別工程で扱うという考え方はそのまま応用できます。