消費者庁は「執行状況」というページで、措置命令などの発表を年度ごとに公表しています。本記事は2026年度分のうち、表示(景品表示法)に関する措置命令を対象に、公式発表の本文に書かれた根拠条文をそのまま数えました。個別事案の違反内容を評価・論評することはせず、公開情報がどう分布しているかだけを扱います。
検証環境:消費者庁公式サイト「執行状況 2026年度」一覧ページと個別発表各件、e-Gov法令検索(不当景品類及び不当表示防止法)本文直接確認 / 2026-08-08確認
この記事で分かることは次の3点です。
- 2026年度に消費者庁が公表した、表示関連の措置命令の件数と対象
- 各措置命令が、景品表示法第5条の第何号に基づいているか
- 少ない母数から、何が言えて何が言えないか
01何が起きたか|消費者庁が2026年度の措置命令を公表
消費者庁公式サイトには「執行状況 2026年度」というページがあります(出典: 消費者庁・2026-08-08確認)。2026年4月から8月にかけて、表示(景品表示法)カテゴリの措置命令が4件掲載されています。同じページには「取引」カテゴリの行政処分も2件掲載されていますが、本記事は表示関連の措置命令に対象を絞ります。
4件の内訳は次のとおりです。
| 公表日 | 対象 | 根拠となる条項 |
|---|---|---|
| 2026年4月28日 | 尿失禁対策用の下着販売事業者2社 | 第5条第1号(優良誤認) |
| 2026年6月11日 | 株式会社ゲオストア | 第5条第2号(有利誤認) |
| 2026年6月29日 | 高光製薬株式会社 | 第5条第3号(ステルスマーケティング告示) |
| 2026年8月6日 | 「SNOW」アプリ利用サービス提供事業者2社 | 第5条第3号(ステルスマーケティング告示) |
各発表の一次情報は次のとおりです。尿失禁対策用の下着販売事業者2社(出典: 消費者庁)、株式会社ゲオストア(出典: 消費者庁)の発表を直接確認しました。高光製薬株式会社(出典: 消費者庁)、「SNOW」の事業者2社(出典: 消費者庁)も同様です。
4件とも、発表本文に同じ文言があります(出典: 消費者庁「SNOW」発表)。「景品表示法に違反する行為が認められたことから、同法第7条第1項の規定に基づき、措置命令を行いました」という一文です。措置命令の法的根拠は、いずれも景品表示法第7条第1項です。
02何が変わるのか|措置命令の内訳をどう数えたか
「傾向」という言葉を、本記事では「何件のうち何件がどの条項に基づくか」という内訳の意味で使います。母数が小さいため、年度をまたいだ増減の断定はしません。
数えた条件は次の2つです。
- 対象は、消費者庁「執行状況 2026年度」ページの表示カテゴリに掲載された措置命令4件(2026年4月28日〜8月6日公表分)
- 各発表本文に明記された、景品表示法第5条の該当号(第1号・第2号・第3号のいずれか)を1件ずつ数える
この条件で数えると、4件のうち2件が第5条第3号(ステルスマーケティング告示)に該当します(出典: 消費者庁・2026-08-08編集部集計)。比率にすると50%です。残り2件は、第5条第1号(優良誤認)と第5条第2号(有利誤認)がそれぞれ1件です。
対象期間はまだ5か月分、件数も4件と少ない点には注意が必要です。これだけで通年の傾向や前年度との比較を断定することはできません。
03措置命令の実務への影響|第5条の該当号を正しく区別する
景品表示法第5条は、不当な表示を3種類の号で禁止しています。e-Gov法令検索で条文を直接確認すると、次のとおりです(出典: e-Gov法令検索・2026-08-08確認)。
| 条項 | 規制する表示 |
|---|---|
| 第5条第1号 | 実際のものより著しく優良であると示す表示(優良誤認) |
| 第5条第2号 | 取引の相手方に著しく有利であると誤認される表示(有利誤認) |
| 第5条第3号 | 前二号のほか、内閣総理大臣が指定する表示(ステルスマーケティング告示はこの号にもとづく指定) |
2026年度の4件のうち2件は、この第5条第3号にもとづく「ステルスマーケティング告示」に該当すると発表本文に明記されています(出典: 消費者庁「SNOW」発表)。ステルスマーケティング告示は、令和5年(2023年)10月1日に施行された規制です。広告であることが一般消費者に分からない表示を対象としています。
第5条第1号・第2号は、表示の中身が事実と違うかどうかを問う条項です。第5条第3号は、表示が広告だと分かるかどうかを問う、性質の異なる条項です。同じ「措置命令」という結果でも、根拠となる条項によって問題にされている点は異なります。
04いま何をすべきか|措置命令の傾向を社内チェックに活かす
自社の広告表示を確認する際は、次の2点を押さえておくと、消費者庁の公表事例と照らし合わせやすくなります。
- 表示内容が事実と違わないかを確認する(第5条第1号・第2号に相当する論点)
- 表示そのものが広告だと分かる状態になっているかを確認する(第5条第3号・ステルスマーケティング告示に相当する論点)
より詳しい境界線の整理は『広告表現の法規制まとめ|薬機法・景表法・ステマ規制の境界』にまとめています。消費者庁の公表ページは随時更新されるため、本記事の件数・内訳は2026-08-08時点のスナップショットである点にご注意ください。
05FAQ
2026年度の措置命令は何件公表されていますか
2026-08-08時点で、消費者庁「執行状況 2026年度」ページの表示(景品表示法)カテゴリに4件掲載されています(出典: 消費者庁)。
措置命令が一番多い違反類型は何ですか
2026-08-08時点で確認できた4件のうち、2件が第5条第3号(ステルスマーケティング告示)に該当します。件数が少ないため、通年の傾向として断定することはできません。
ステルスマーケティング告示は景品表示法とは別の法律ですか
いいえ。ステルスマーケティング告示は、景品表示法第5条第3号にもとづき内閣総理大臣が指定した表示類型です。独立した別の法律ではありません。
「取引」カテゴリの2件も景品表示法の措置命令ですか
本記事では確認していません。消費者庁のページ上で「表示」とは別カテゴリに分類されているため、本記事の集計には含めていません。
この記事の件数は今後も変わりますか
はい。消費者庁の公表ページは随時更新されます。本記事の件数・内訳は2026-08-08時点で確認できた範囲であり、最新の状況は公式ページで直接ご確認ください。