「cookieの話は、もう終わったんですよね」。打ち合わせでそう言われて、うなずきかけて、少し引っかかる。何が終わったのかを説明しようとすると、途中で言葉に詰まる。この記事は、その引っかかりを解くために書きました。
事実から先に置きます。Chromeは2026年8月時点でも、サードパーティcookieを既定ではブロックしていません。一方でSafari・Firefoxは、既にデフォルトでブロックしています。同じ「cookie対応」という言葉でも、どのブラウザの話かで意味が正反対になるのが、いまの状態です。
この違いを取り違えたまま計測設計を進めると、前提そのものがずれます。この記事では、発表の順番を一次情報で並べ直し、そのうえで自社の計測設計と社内スケジュールのどこを見直すべきかまで整理します。
こんなふうに調べていませんか
- 「サードパーティcookie 廃止されない」で検索して、結論だけでも確かめたい
- 社内資料に「◯年までにcookieless移行」と書いてあり、そのままでよいか迷っている
- 代替APIへ寄せる設計を進めていたが、最近の発表で不安になった
この記事を読み終えたときに手に入るもの
- 延期・方式転換・断念の3段階を、社内で順番どおりに説明できるようになります
- Chromeと他ブラウザの現状の違いを、計測設計の前提として区別できます
- 代替APIの非推奨化が自社の移行計画にどう効くかを判断できます
結論30秒でわかる、この記事の結論
- Chromeのサードパーティcookieは、廃止しない方針が確定しています。 2025年4月22日の発表で、ユーザーに選ばせる方式の導入も見送られました。
- ただし「対応不要」ではありません。Safari・Firefoxは既に既定でブロックしており、その分の精度低下はすでに起きています。
- 2025年10月17日には、代替候補だったPrivacy Sandbox関連のAPI群10件が非推奨化されました。移行先そのものが縮んだ形です。
本記事の内容は、2026-08-08にPrivacy Sandbox公式サイト・WebKit公式・Mozilla公式ブログの本文を直接確認したものです。
本文では、広告の運用を引き継いだばかりの若葉さん、移行計画の工数を預かる高梨課長、投資判断を見る大森部長、そして答える側の鈴木さんの会話をはさみながら進めます。
01サードパーティcookieが廃止されない今、Web広告の計測はどうなっているんですか?
若葉さんcookieの廃止に備えて移行を進める、という資料が残っているんですが、これはもう不要ということですか。
鈴木さん半分は不要で、半分は必要です。Chromeについての前提は変わりました。ただし他のブラウザについての前提は、何も変わっていません。
結論を先に書きます。Chromeのサードパーティcookieは、廃止しない方針が確定しています。この結論に至ったのは2025年4月22日の発表で、それ以前に出ていた廃止計画とプロンプト方式は、いずれも実装されないまま終わりました。
ここで多くの現場が取り違えるのが、「Chromeが廃止しない」=「cookieless対応は要らない」という読み替えです。この読み替えは成立しません。Safari・Firefoxは既に既定でブロックしているため、サードパーティcookie前提のリターゲティング広告やクロスサイト計測は、この2ブラウザ分について既に精度が低下した状態が続いているからです。
つまり、いま確認すべきことは2つに整理できます。ひとつは「Chromeの廃止を前提に組んだ計画が、まだ社内に残っていないか」。もうひとつは「Chrome以外のブラウザについて、いま起きている精度低下を織り込んだ評価になっているか」。この記事は、その2つを判断できる状態まで持っていくことを目的にしています。
この章のまとめ
Chromeは廃止しない。ただし他ブラウザは既にブロック済みで、対応が不要になったわけではない。
02廃止されないという結論に至るまで、サードパーティcookieを巡る広告運用の前提は何度変わったんですか?
順番に並べると、発表は3段階を踏んでいます。ここを混ぜて記憶していると、社内で説明するたびに話が食い違います。
| 発表日 | 発表内容 | 一次情報 |
|---|---|---|
| 2024-04-23 | 2024年第4四半期完了を断念し延期を発表(撤回ではない) | Privacy Sandbox公式 |
| 2024-07-22 | 廃止そのものをやめ、選択式プロンプト方式へ転換すると発表 | Privacy Sandbox公式 |
| 2025-04-22 | プロンプト方式の導入も断念し、現行方式の維持を発表 | Privacy Sandbox公式 |
この3段階のあとに、もうひとつ別の動きが加わります。2025年10月17日、代替候補とされていたPrivacy Sandbox関連のAPI群10件が非推奨化されました(出典: Privacy Sandbox公式・2025-10-17公開)。こちらはcookieそのものの話ではなく、cookieの代わりに用意されていた側の話です。
この章のまとめ
発表は延期・方式転換・断念の3段階。そのあとに代替技術側の非推奨化が別件で加わった。
03延期と撤回は、サードパーティcookie前提のWeb広告でどう違うんですか?
最初の発表から見ていきます。2024年4月23日、Googleは方針転換したと発表しました(出典: Google Privacy Sandbox公式ブログ・2024-04-23公開)。内容は、サードパーティcookie廃止を2024年第4四半期中に完了する計画の断念です。
ここが最初の分かれ道です。この発表は「延期」であり、廃止計画そのものの撤回ではありません。 英国の競争市場庁(CMA)・情報コミッショナー事務局(ICO)との協議継続を条件に、当時は2025年早期の廃止開始を見込むとしていました。
この違いは、言葉あそびではありません。計測設計の実務では、次のように効き方が変わります。延期であれば、移行の締め切りが動くだけで、移行そのものはやることになります。撤回であれば、移行の必要性そのものを問い直すことになります。動かすのが日付なのか、方針なのか。 ここを取り違えると、社内の合意も取り直しになります。
高梨課長当時は「延期」と読んで、移行のスケジュールだけ引き直しました。あれは正しかったんですね。
鈴木さんはい、その時点の判断としては合っています。問題は、そのあと方針そのものが変わったのに、引き直したスケジュールだけが社内に残ってしまうことです。
この章のまとめ
2024年4月は日付の変更。方針そのものが変わったのは、この次の発表から。
04ユーザーに選ばせる方式は、なぜサードパーティcookieの広告運用に届く前に消えたんですか?
2024年7月22日、方針はさらに一段階進みました。Googleは同ブログでこれまでとは違う内容を発表しました(出典: Google Privacy Sandbox公式ブログ・2024-07-22公開)。サードパーティcookieの廃止そのものを取りやめ、ユーザーが選べる新しい体験をChromeに導入するという内容です。発表者はAnthony Chavez氏(Privacy Sandbox担当VP)です。
この時点で、話の種類が変わっています。2024年4月は「いつ廃止するか」というスケジュールの変更でした。これに対し2024年7月は「廃止するかどうか」という方針そのものの転換で、cookieを残したままユーザーに選ばせる設計へ切り替わっています。
そのプロンプト方式も長くは続きませんでした。2025年4月22日、同じくChavez氏が3回目の方針転換をすると発表しました(出典: Google Privacy Sandbox公式ブログ・2025-04-22公開)。新しい独立プロンプトの導入自体を見送り、既存のChromeプライバシー設定での運用を維持するという内容です。これにより、サードパーティcookieを廃止しない方針が確定しています。
つまり2025年4月の発表は、「選ばせる設計」自体を実装しないという決定でした。ユーザーは引き続き、Chromeの「プライバシーとセキュリティ」設定からサードパーティcookieの扱いを選べます。新しい画面が増えるという話が、増えないという話に戻った、と読むのが実務では分かりやすいと思います。
この章のまとめ
選択式プロンプトは告知されたが実装されず、既存の設定のまま運用が続くことになった。
05サードパーティcookieが廃止されない理由を、広告運用の言葉で言うと何ですか?
Googleが挙げた主な理由は次の4点です(出典: Google Privacy Sandbox公式ブログ・2025-04-22公開)。
- パブリッシャー・開発者・規制当局・広告業界の間で見解が分かれたままだったこと
- 2019年のPrivacy Sandbox構想発表以降、プライバシー保護技術の採用が進んだこと
- AI活用によるブラウジング保護の新しい選択肢が登場したこと
- 世界的な規制環境が大きく変化したこと
広告運用の言葉に置き換えると、「関係者の合意が取れなかった」「その間に別の手当てが進んだ」「前提の環境が動いた」の3つに畳めます。技術的に無理だったから、という説明にはなっていない点は押さえておいてください。
大森部長理由が並んでいるのは分かった。それで、この決定はもう動かないんだな。
鈴木さんそこは言い切れません。Googleの表現は「現行アプローチの維持」であり、将来また変更しないと約束したものではないからです。決まったのは「いまの運用を続ける」という点までです。
大森部長つまり、投資判断としては「様子を見る」ではなく「前提が変わる想定で組む」ということか。
鈴木さんはい。そちらのほうが、後で組み直す手戻りが小さくなります。
この章のまとめ
理由は合意形成・技術採用の進展・環境変化。恒久的に約束されたわけではない。
06SafariとFirefoxのサードパーティcookieは、Web広告の計測にどこまで効いているんですか?
Chromeが方針を3回変える間、他の主要ブラウザは動いていません。ここが、いちばん見落とされます。
Safariの開発チームは、WebKit公式サイトで既定ブロックの方針を明記しています(出典: WebKit公式(Safari開発チーム))。原文では、例外なくサードパーティcookieを既定でブロックすると説明されています。
Firefoxも2019年9月3日、Mozilla公式ブログで既定ブロックを開始したと発表しました(出典: Mozilla公式ブログ・2019-09-03公開)。デスクトップ版・Android版ともに、サードパーティのトラッキングcookieを既定でブロックするという内容です。
結果として、主要ブラウザのうちサードパーティcookieを既定で許可しているのはChromeだけという状態が、2026年8月時点でも続いています。「まだ廃止されていない」という言い方は、ブラウザ全体で見ると正確ではありません。 正確に言うなら、Chromeだけが例外的に許可を続けている、です。
若葉さんでは、いま出しているリターゲティング広告は、実際にはどれくらい届いているんでしょうか。
鈴木さん自社の訪問者がどのブラウザを使っているかで変わります。まずアクセス解析でブラウザ別の内訳を見てください。 そこが分からないまま「効いている・効いていない」を語ると、話が噛み合いません。
この章のまとめ
既定で許可しているのはChromeだけ。精度低下は将来の話ではなく、すでに起きている。
07代替として用意されたサードパーティcookieの受け皿は、広告運用から見て何が起きたんですか?
3段階の方針転換が固まった後も、動きは止まっていません。2025年10月17日、Googleは新たな発表をしました(出典: Privacy Sandbox公式・2025-10-17公開)。対象はサードパーティcookieそのものではなく、cookieの代替候補として設計されていたPrivacy Sandbox関連の技術群です。
対象は10件です(出典: 同上)。Chrome・Androidそれぞれの手順に沿って、次の技術が段階的に廃止されます。
- Attribution Reporting API(Chrome・Android)
- IP Protection
- On-Device Personalization
- Private Aggregation(Shared Storageを含む)
- Protected Audience(Chrome・Android)
- Protected App Signals
- Related Website Sets(requestStorageAccessFor・Related Website Partitionを含む)
- SelectURL
- SDK Runtime
- Topics(Chrome・Android)
このなかで、広告の実務に直接ぶつかるのはAttribution Reporting APIとProtected Audience、そしてTopicsあたりです。コンバージョン計測・オークション・興味関心ターゲティングという、いずれも代替設計の中心に置かれていた技術が並んでいます。
この章のまとめ
非推奨化されたのは代替候補の側。計測・オークション・ターゲティングの中心技術が含まれる。
08非推奨化の理由は何で、サードパーティcookieの結論はWeb広告で変わるんですか?
理由としてGoogleは、導入率の低さと、エコシステムから寄せられた期待価値に関するフィードバックを挙げています(出典: 同上)。使われなかった、そして期待されたほどの価値が見込めなかった、という説明です。
結論から言うと、この発表はサードパーティcookieを廃止しないという結論を覆すものではありません。廃止しない方針は2025年4月22日時点で既に確定しており、10月の発表はそれとは別の対象、つまり代替技術側についてのものです。
ただし、実務への影響は別です。「cookie廃止に備えて代替APIへ移行しておく」という設計を進めていた場合、移行先そのものが縮小することになるため、影響は無視できません。 出口だと思って歩いていた通路が、途中で閉じられた状態に近いと言えます。
高梨課長移行先が消えるなら、いま進めている実装は止めたほうがいいですか。
鈴木さん止める前に、どの技術に乗っているかを確かめてください。10件の一覧に自社が使っているものが入っているかどうかで、判断がまったく変わります。
この章のまとめ
cookieの結論は変わらない。変わったのは移行先の見通し。まず自社が乗っている技術を確認する。
09非推奨化されずに残ったサードパーティcookieの代替技術は、Web広告でどう使えるんですか?
一方で3つの技術は、引き続きサポートすると明記されています(出典: 同上)。非推奨化されたのは代替候補側の技術であり、この3件は対象に含まれません。
CHIPS(Partitioned Cookies)は、Cookieをサイトごとにパーティション化して保存する仕組みです。FedCM(Federated Credential Management API)は、プライバシーを保護したままID連携を行うAPIです。Private State Tokensは不正行為の軽減に使う仕組みで、Googleは追加のアプローチも検討すると述べています(出典: 同上)。
この3件は他のブラウザでも使われるなど幅広く普及している点が、継続の理由として挙げられています(出典: 同上)。残ったものと消えたものを分けているのは、技術の新しさではなく、実際に使われているかどうかだと読めます。
| 技術 | 用途 | 2025-10-17時点の扱い |
|---|---|---|
| CHIPS(Partitioned Cookies) | Cookieのパーティション化保存 | 継続サポート |
| FedCM | プライバシー保護型のID連携 | 継続サポート |
| Private State Tokens | 不正行為の軽減 | 継続サポート・追加アプローチも検討 |
| Attribution Reporting API | 広告効果測定(コンバージョン計測) | 非推奨化(対象10件の1つ) |
| Topics API | 興味関心ベースの広告ターゲティング代替 | 非推奨化(対象10件の1つ) |
この章のまとめ
残ったのはCHIPS・FedCM・Private State Tokens。分かれ目は、実際に使われているかどうか。
10サードパーティcookie前提のコンバージョン計測は、広告運用としていつ作り直すんですか?
非推奨化される10件のうち、Attribution Reporting APIには受け皿の方向性も示されています。Googleは相互運用可能なアトリビューション標準の策定を進める方針です。この標準策定にはW3CのPrivate Advertising Technology Working Groupを活用します(出典: 同上)。
だから、Attribution Reporting APIを軸にコンバージョン計測の移行を進めていた場合も、今すぐ設計を作り直す必要はありません。個別に代替APIを探すより、標準化の進捗を追うほうが実務上の手戻りは少なくなります。 受け皿が固まる前に自前で埋めると、固まった後にもう一度作り直すことになります。
この章のまとめ
Attribution Reporting APIの移行先は標準化の途中。いま作り直さず、進捗を追う判断が現実的。
11サードパーティcookieが廃止されないなら、Web広告のcookieless対応はやめていいんですか?
ここまでを踏まえて、いちばん多い問いに答えます。「Chromeが廃止しないなら、cookieless対応は不要」と考えるのは早計です。
理由は、この記事で繰り返している一点に尽きます。Safari・Firefoxは既に既定でブロックしています。そのためサードパーティcookie前提のリターゲティング広告やクロスサイト計測は、この2ブラウザ分について既に精度が低下した状態が続いています。将来のリスクではなく、いまのレポートに含まれている誤差です。
もうひとつ、Googleの発表文言はあくまで「現行アプローチの維持」です(出典: Google Privacy Sandbox公式ブログ・2025-04-22公開)。廃止しないと恒久的に約束したわけではありません。したがって、cookieless対応の技術投資そのものを止める判断にはつながりません。
大森部長投資を続ける根拠を、一言で言うとどうなる。
鈴木さん「もう起きている精度低下を埋めるため」です。将来に備えるため、と言うと止められます。いま損している分を取り戻す話として説明するほうが、実態にも合っています。
この章のまとめ
やめる判断にはならない。理由は将来への備えではなく、すでに発生している誤差の解消。
12サードパーティcookieが廃止されない前提で、広告運用の社内スケジュールをどう直しますか?
Chromeの発表を正しく理解したうえで、次の点を確認してください。
- Chromeのサードパーティcookie廃止を前提にした「◯年までに移行完了」という社内スケジュールが残っていないか確認する
- Safari・Firefoxは既に既定でブロックしているため、サードパーティcookie依存の計測は既にこの2ブラウザ分の精度低下が起きている前提で評価する
- Googleの「現行アプローチの維持」は将来の再変更を排除していないため、cookieless対応の技術投資は止めない
- cookieの代替として採用を検討していたPrivacy Sandbox関連APIがある場合、2025年10月17日の非推奨化対象10件(出典: Privacy Sandbox公式)に含まれていないか確認する
- Privacy Sandbox公式ブログを定期的に確認し、方針転換の有無を追い続ける
この並びには順番があります。最初に社内の古い前提を消し、次にいまの誤差を評価に織り込み、最後に技術の採否を決めます。逆から進めると、消えていない古い前提に合わせて技術を選ぶことになります。
この章のまとめ
古い前提を消す→いまの誤差を織り込む→技術を選ぶ。この順番を逆にしない。
13これからのサードパーティcookieの動きは、広告運用としてどう追い続ければいいんですか?
最後に、追い方の話です。この分野は結論が動いてきた領域なので、一度調べて終わりにはできません。
追う先は絞れます。Privacy Sandbox公式ブログを定期的に確認し、方針転換の有無を追い続けてください。本記事も四半期ごとに内容を見直します。二次情報だけを追うと、延期と撤回のような区別が落ちた状態で伝わってきます。 一次情報のページを見に行く習慣のほうが、結果的に早く済みます。
計測側の分類にも目を配ってください。GA4のチャネル分類には見落としやすい穴があり、そこは別記事『GA4のAI Assistantチャネルと広告計測、二重計上に注意』で扱っています。cookieの扱いが変わらなくても、計測ツール側の定義が変われば数字は動きます。
若葉さん更新を追いかけるのは、どれくらいの頻度がいいでしょうか。
鈴木さん四半期ごとに一次情報を開き直す、くらいで足ります。大事なのは頻度より、開く先を決めておくことです。決まっていないと、そのときいちばん目に入った記事を根拠にしてしまいます。
この章のまとめ
追う先は公式ブログに絞る。四半期ごとに開き直し、二次情報だけで判断しない。
14よくある質問
Chromeのサードパーティcookieは結局廃止されたのですか
廃止されていません。2025年4月22日にGoogleが廃止しない方針を確定したことは、本文で解説したとおりです。ただし、これはChromeについての方針であり、ブラウザ全体の状況を表すものではありません。
2024年4月の発表は「撤回」だったのですか
いいえ、正確には「延期」の発表です。2024年第4四半期中の完全廃止を断念しただけで、撤回ではありません。廃止するかどうかという方針そのものが変わったのは、この次の発表からです。
サードパーティcookieを使う計測はもう対応不要ですか
いいえ、対応は必要です。Safari・Firefoxは既に既定でブロックしているため、複数ブラウザを前提にした計測設計は引き続き求められます。将来への備えというより、いま出ている数字の誤差を埋める作業だと捉えてください。
SafariやFirefoxのサードパーティcookie対応はどうなっていますか
両ブラウザとも既定でブロックしています。Firefoxは2019年9月3日に既定ブロックを開始しており、Safariも現在既定でブロックしていることは本文で解説したとおりです。
サードパーティcookieを巡る方針は今後また変わる可能性がありますか
否定はできません。Googleの発表文言は「現行アプローチの維持」であり、将来の再変更を排除する表現ではないためです。社内資料にも、決定ではなく維持の発表として書き残しておくことをおすすめします。
2025年10月の発表で、cookie廃止の結論は変わりましたか
変わっていません。2025年10月17日の発表は、代替候補だったAPI群10件の非推奨化です(出典: Privacy Sandbox公式・2025-10-17公開)。サードパーティcookieを廃止しないという2025年4月22日の結論はそのままです。ただし、代替技術側への移行を前提にした設計は影響を受けます。
15まとめ|今日やる3つのこと
今日この順でやります
社内資料の「◯年までに移行完了」を探す
Chromeの廃止を前提にした期限が残っていれば、前提ごと書き換えます
ブラウザ別の内訳を見る
アクセス解析でSafari・Firefoxの比率を確認し、いま起きている精度低下の大きさを把握します
使っている代替APIを一覧と突き合わせる
非推奨化の対象に含まれていないかを確認し、含まれていれば見直す時期を決めます
AI検索では、こう聞かれています
Chromeのサードパーティcookieは結局どうなったんですか?
「サードパーティcookieが廃止されない今、Web広告の計測はどうなっているんですか?」の章で結論を先に書いています
サードパーティcookieが廃止されないなら、cookieless対応はやめていいですか?
「サードパーティcookieが廃止されないなら、Web広告のcookieless対応はやめていいんですか?」の章で理由とともに答えています
Privacy Sandboxの代替APIは今も使えるんですか?
「非推奨化されずに残ったサードパーティcookieの代替技術は、Web広告でどう使えるんですか?」の章に一覧があります
次に読むなら、この記事です