「うちの広告に、勝手に『AI情報』というラベルが付くらしい」。社内でそう言われて、広告マネージャを開いた方が多いと思います。ところが、どこを探しても、それらしい設定項目は見つかりません。
見つからないのは当然です。これは広告主が付けたり外したりするものではありません。Metaが広告クリエイティブを見て条件に当てはまるかを判定し、自動で表示します。ですから最初に確かめるべきは「どこで設定するか」ではなく、どういう広告がその条件に当たるのかです。
この記事では、Meta Newsroomの公式発表を原文で確認したうえで、ラベルが付く条件と、付いたときにどこへ表示されるのかを整理します。あわせて、日本のステマ規制とは別の枠組みである点も切り分けます。生成AIで広告クリエイティブを作っている方に向けて書きました。
こんなふうに調べていませんか
- 「Meta AI情報ラベル 表示条件」で検索して、自社の広告が対象になるか確かめたい
- 生成AIで作ったバナーに、勝手にラベルが付くのか気になっている
この記事を読み終えたときに手に入るもの
- AI情報ラベルが付く2つの条件を、社内で説明できるようになります
- 表示位置が「About this ad」内か「Sponsored」の隣かを見分けられます
- ステマ規制とプラットフォームの表示ルールを、別のものとして扱えます
結論30秒でわかる、この記事の結論
- 「AI情報」ラベルは、広告主の設定項目ではありません。Meta側が条件を判定し、自動で表示します。
- 付く条件は2つです。Metaの生成AIツールで作成・大幅編集した場合と、業界標準シグナルで第三者製AIツールの使用が検出された場合です。
- 置き場所を分けるのは、フォトリアルな人物表現を含むかどうかという1点だけです。
本記事の内容は2026-08-08に、Meta Newsroom公式発表と消費者庁公式サイトの本文を直接確認したものです。広告運用を始めて日の浅い若葉さんと、制作フローを預かる高梨課長の疑問に、本誌監修の鈴木さんが答える形で進みます。
01Meta広告のAI情報ラベルは、生成AIを使うと表示条件に当たるんですか?
若葉さん生成AIでバナーを作ったら、それだけで「AI情報」ラベルが付いてしまうんでしょうか。
鈴木さん「使ったかどうか」だけでは決まりません。どのツールで、どこまで手を入れたか。そこまで見られます。順番に分けていきましょう。
Meta公式発表によると、「AI情報」ラベルが表示される条件は2件です(出典: Meta Newsroom・2025年2月3日発表/2026年6月1日更新)。1つは、Meta広告マネージャに搭載された生成AIツールで、クリエイティブを作成または大幅に編集した場合。もう1つは、業界標準のシグナルによって第三者製AIツールの使用が検出された場合です。
ここで大事なのは、この2つがラベルが付くかどうかの話だという点です。付いたあとに、もう1つ別の分岐があります。フォトリアルな人物表現を含む広告は「Sponsored(スポンサー)」表示のすぐ隣に、それ以外は「About this ad」という表示先の中にラベルが格納されます。
読み方をまとめると、「条件が2つ」と「置き場所の分岐が1つ」。この並びで覚えておくと、社内で説明するときに話が混ざりません。
この章のまとめ
表示条件は2つ、置き場所の分岐が1つ。どちらも広告主が管理画面で切り替える設定ではない。
02AI情報ラベルの表示条件は、Metaの生成AIツールと第三者検出のどちらですか?
2つの条件を、順番に見ていきます。
1つ目は、Meta広告マネージャに搭載された生成AIツールで、広告のクリエイティブ(画像・動画)を作成または大幅に編集した場合です。ここには例外があります。編集が軽微にとどまり、かつフォトリアルな人物表現を含まない場合は、ラベルの対象外です(出典: Meta Newsroom)。
2つ目は、業界標準のシグナルによって、第三者製AIツールの使用が自動で検出された場合です。この機能は2026年6月1日の更新で加わりました。Metaのツールを使っていなくても対象になり得る、という点がここで増えた変化です。
| 条件 | 判定するもの | 追加・開始時期 |
|---|---|---|
| ①Metaの生成AIツールで作成・大幅編集 | 広告マネージャの生成AI機能 | 2024年ロールアウト開始 |
| ②第三者製AIツール使用の自動検出 | 業界標準シグナルによる自動検出 | 2026年6月1日追加 |
どちらの条件も、広告主が自己申告する仕組みではありません。Meta側が広告クリエイティブを見て自動で判定します。つまり、申告漏れを心配する種類のものではなく、自社のクリエイティブがどちらの条件に当たるかを把握しておく種類のものです。
この章のまとめ
条件は「Metaのツールで大幅編集」と「第三者製AIの自動検出」。軽微な編集で人物も含まなければ対象外。
03フォトリアルな人物が写ると、Web広告のどこにAI情報ラベルが出るんですか?
ここからは置き場所の話です。「AI情報」ラベルは通常、広告の三点リーダーメニューの中にある「About this ad」という表示先にまとめて格納されます。読者が能動的に開かないと目に入りません。
ただし、フォトリアルなAI生成人物を含む広告では扱いが変わります(出典: Meta Newsroom)。この場合、ラベルは三点リーダーの裏ではなく、「Sponsored(スポンサー)」表示のすぐ隣に直接表示されます。人物の実在性を誤認しやすいクリエイティブほど、目立つ位置に開示する設計だと読めます。
高梨課長置き場所が変わると、制作側の確認作業も変わりますか。
鈴木さん変わります。フォトリアルな人物を含む素材だけ先に見る運用にしておくと、想定外の位置にラベルが出て慌てずに済みます。
繰り返しになりますが、置き場所が変わるのは「フォトリアルな人物表現を含むかどうか」という1点だけです。ラベルが付くかどうかの判定条件とは別の軸である点に注意してください。人物の有無で、ラベルの有無が決まるわけではありません。
クリエイティブ審査の担当者は、フォトリアルな人物表現を含む生成AI広告を優先的に確認する運用にしておくと、慌てる場面が減ります。
この章のまとめ
通常は「About this ad」内。フォトリアルな人物を含むときだけ「Sponsored」の隣に出る。
04自社のWeb広告にMetaのAI情報ラベルが付くか、表示条件はどう判定しますか?
Meta公式発表による条件(出典: Meta Newsroom)を、自社のクリエイティブに当てはめて判定できるよう、4つの視点に整理しました。上から順に確認してください。
- 広告の作成・編集に生成AIツールを使ったか(Meta標準ツールでも外部ツールでも対象)
- Metaの生成AIツールを使った場合、変更は「大幅」か「軽微」か(軽微はラベル対象外の可能性)
- Metaのツールを使っていない場合、業界標準シグナルで第三者製AIの使用が検出されているか
- 上記いずれかに該当する場合、広告にフォトリアルな人物表現が含まれているか
前半2つはMeta標準ツールの利用有無、後半2つは検出条件と置き場所の分岐に対応します。自社で判断がつかない場合は、該当するクリエイティブを実際の広告の「About this ad」表示で確認するのがいちばん確実です。
この章のまとめ
判定は4つの視点で足りる。分からなければ、実際の広告の表示を開いて確かめる。
05MetaのGEMとAI情報ラベルは、広告運用でどう混同されますか?
Meta広告の生成AI関連の発表には、「AI情報」ラベルのほかに「GEM(Generative Ads Recommendation Model)」もあります。名前も発表元も近いのに、扱っている対象がまったく違うため、社内で混ざりやすい組み合わせです。
Metaによると、2025年10月から12月の期間でGEMを改善し、その結果、Facebookの広告クリックが3.5%増加したと発表しています(出典: Meta Newsroom・2025年第4四半期の実績)。原文の表現は「a 3.5% lift in ad clicks」、つまりクリック数の増加であり、CTR(クリック率)そのものではありません。
高梨課長3.5%というのは、うちのCTRも上がるという意味ですか。
鈴木さんいえ、原文はクリック数の増加です。率と数を取り違えると、社内の期待値が実態から離れます。
GEMは広告の表示先を決める配信最適化モデルで、広告主が操作する設定項目ではありません。一方「AI情報」ラベルは、広告クリエイティブへの生成AI利用を開示する表示です。成果を上げるための仕組みと、事実を知らせるための表示。目的がそもそも違います。
| 項目 | GEM | AI情報ラベル |
|---|---|---|
| 役割 | 広告表示先を決める配信最適化モデル | 生成AI利用の開示表示 |
| 操作主体 | Meta側のみ(広告主は操作不可) | Meta側が条件を自動判定・表示 |
| 広告主への影響 | 配信結果(クリック数等)に反映される | クリエイティブの作り方に依存する |
どちらも「Meta AI」という言葉でひとまとめにしないでください。発表文が指している製品名を1つずつ確認する習慣をつけると、混同による誤解を避けられます。
この章のまとめ
GEMは配信の仕組み、AI情報ラベルは開示の表示。発表を読むときは製品名を1つずつ確認する。
06AI情報ラベルのロールアウトは、いまWeb広告でどの段階ですか?
「AI情報」ラベルのロールアウトは2024年に始まり、2025年を通じて対象が広がったとMetaは説明しています。2025年2月3日に発表ページが公開され、2026年6月1日の更新で、業界標準シグナルによる第三者製AI検出の機能が追加されました(出典: Meta Newsroom・2025年2月3日発表/2026年6月1日更新)。
段階的ロールアウトという性質上、アカウントによって表示の有無や挙動にばらつきが生じる可能性があります。「隣の担当者のアカウントでは出ているのに、こちらでは出ない」という状態は、それだけで異常とは言い切れません。自社の広告アカウントで「About this ad」の表示を定期的に確認することをおすすめします。
この章のまとめ
2024年開始、2025年に対象拡大、2026年に第三者製AI検出が追加。表示のばらつきは前提として見る。
07日本のステマ規制は、Web広告のAI情報ラベルと何が違うんですか?
若葉さんラベルが付いていれば、日本の広告のルールもクリアできたことになりますか。
鈴木さんそこは分けて考えてください。片方はMeta社内のルール、もう片方は法律です。満たすべき相手がそもそも違います。
「AI情報」ラベルはMeta社内のプラットフォームポリシーであり、日本の法規制そのものではありません。日本では2023年10月1日から、ステルスマーケティング(ステマ)が景品表示法違反の対象になっています(出典: 消費者庁・2023年10月1日施行)。規制対象は「広告であるにもかかわらず一般消費者が広告だと判別できない表示」で、企業がインフルエンサー等の第三者に依頼した場合も含まれます。
つまり、見ている対象が違います。ラベルは「生成AIを使ったかどうか」を知らせるもので、ステマ規制は「広告だと分かるかどうか」を問うものです。同じ広告に、性質の違う2つのものさしが当たっている状態だと考えてください。
| 項目 | Meta「AI情報」ラベル | 日本のステマ規制 |
|---|---|---|
| 性質 | Meta社内のプラットフォームポリシー | 景品表示法に基づく法規制 |
| 開始・施行時期 | 2024年ロールアウト開始 | 2023年10月1日施行 |
| 対象 | 生成AI利用が条件に該当する広告 | 広告と判別できない表示全般 |
| 違反時の扱い | 表示ルールの適用はMeta側の運用による | 消費者庁による措置命令等の対象になり得る |
この章のまとめ
ラベルはプラットフォームのルール、ステマ規制は法律。当たっているものさしが最初から別。
08AI生成のインフルエンサー風広告は、広告運用でどこまで開示が要りますか?
AI生成のインフルエンサー風コンテンツであっても、広告であることを隠していれば、ステマ規制の対象になり得ます。作り手が人間かAIかではなく、受け手が広告だと分かるかどうかが問われる、という読み方になります。
ここで実務者が知りたくなるのは、「Metaのラベルが出ていれば、日本の開示としても足りるのか」という一点だと思います。
その点について、はっきりした答えは出せませんでした。Metaの「AI情報」ラベル表示が、日本のステマ規制上の表示義務を自動的に満たすかは判断が分かれます。消費者庁・Meta双方の公表資料を直接確認しても判断できませんでした(2026-08-08時点で確認)。個別の該当性は、消費者庁の公表資料の確認や専門家への相談を通じて判断してください。
この章のまとめ
AI生成のインフルエンサー風広告も、隠していれば対象になり得る。ラベルで足りるかは断定できない。
09景品表示法まで含めると、生成AIの広告表現で何に気をつけますか?
景品表示法は、意図的な誇大表示だけでなく、過失による誤表示も規制対象です(出典: 消費者庁)。生成AIが自動作成した広告表現が、結果として事実と異なる内容になった場合も、この一般原則の対象になり得ます。
ここは生成AIを使う側にとって、実務上いちばん近い論点です。人が一から書いた原稿なら気づく事実誤認も、生成された文言をそのまま入稿すると素通りしがちだからです。速く作れることと、確認を省けることは別の話になります。
景品表示法は、日本国内の消費者に向けて表示を行う事業者を対象とする法律です。プラットフォームの所在地にかかわらず、日本向けに広告を出す事業者側が適用対象になり得ます。この点も含め、個別の該当性は専門家に確認してください。
この章のまとめ
過失による誤表示も対象になり得る。生成AIが書いた数字や比較は、入稿前に出どころを確かめる。
10AI情報ラベルで広告運用がつまずくのは、どんな前提ですか?
実務で見落としやすい前提は3つです。いずれもMeta公式発表(出典: Meta Newsroom)と、ここまでの内容から整理したものです。
- 「ラベルは管理画面でオン・オフできる」という誤解。実際はMeta側が条件を見て自動で判定・表示します。
- 「ラベルを付ければステマ規制を回避できる」という誤解。前章のとおり両者は別の枠組みで、ラベル表示が法令順守を保証するものではありません。
- 「軽微な生成AI編集も含めて全部ラベルが付く」という誤解。軽微な編集で、かつフォトリアルな人物を含まない場合は対象外です。
3つ目に関連して、起こりやすい取り違えがあります。生成AIの編集が軽微だからと「ラベル不要」と判断しても、フォトリアルな人物を含んでいれば表示対象になる、というパターンです。軽微かどうかと、人物が写っているかどうかは、両方を見る必要があります。
この章のまとめ
つまずきは3つとも「自動で決まる」ことの読み落とし。設定でも、法令の代わりでもない。
11入稿前にAI活用の広告で確認しておくことは何ですか?
Meta・消費者庁の一次情報(出典: Meta Newsroom・消費者庁)をもとに、広告主が確認しておきたい項目を7件にまとめました。
- 自社の広告クリエイティブ制作に、Meta標準の生成AIツールを使っているか確認した
- 外部の生成AI・編集ツールを使っている広告があるか棚卸しした
- フォトリアルな人物表現を含む広告クリエイティブを洗い出した
- 該当する広告の「About this ad」表示を実際に確認した
- 生成AI利用の有無を、社内の広告制作フローに記録する仕組みがあるか確認した
- 日本のステマ規制(景品表示法)の対象になり得る表示がないか確認した
- 個別の該当性判断が必要なケースを、専門家に相談する体制があるか確認した
若葉さんこれ、入稿のたびに全部やるんですか。
鈴木さん最初に一度、棚卸しをしてしまえば大丈夫です。あとは新しい制作ツールが増えたときだけ見直せば足ります。
この章のまとめ
一度棚卸しし、制作ツールが増えたときだけ見直す。記録の仕組みがあると社内説明が早い。
12よくある質問
AI情報ラベルはどんな広告に表示されますか
Metaの生成AIツールで作成・大幅編集した広告か、業界標準シグナルで第三者製AIツールの使用が検出された広告に表示されます(出典: Meta Newsroom)。どちらもMeta側の自動判定です。
フォトリアルな人物が写っていない生成AI広告にもラベルは付きますか
条件に該当すれば付きます。ただし置き場所が異なり、「About this ad」内に格納されます。フォトリアルな人物を含む場合のみ「Sponsored」表示の隣に出ます。
AI情報ラベルとGEMは同じ仕組みですか
別の仕組みです。GEMは広告の表示先を決める配信最適化モデル、「AI情報」ラベルは生成AI利用の開示表示です。発表元が同じでも、扱っている対象が違います。
日本語UIでのAI情報ラベルの表示文言は決まっていますか
Meta Newsroomの原文本文を直接確認しても、日本語UIでの具体的な表示文言は記載されていません(2026-08-08時点で確認)。地域によって表示のされ方が変わる場合があるとMetaは注記しています。
AI情報ラベルを付ければ日本のステマ規制はクリアできますか
本記事で確認した一次情報からは、そのように読める根拠はありません。両者は別の枠組みであり、個別の該当性は専門家への相談が必要です。
広告主はAI情報ラベルの表示設定を管理画面で操作できますか
原文には、広告主が任意に設定・解除できるという記載はありません。Meta側が条件に応じて自動で判定・表示する仕組みです。
13まとめ|今日やる3つのこと
今日この順で確かめます
制作に使ったツールを棚卸しする
Meta標準の生成AIツールか外部ツールか、担当者ごとに聞き取ります
フォトリアルな人物を含む素材を洗い出す
置き場所が「Sponsored」の隣に変わるのはここだけです
配信中の広告の表示を実際に開く
「About this ad」を確認し、いまどう見えているかを目で見ます
AI検索では、こう聞かれています
Meta広告の「AI情報」ラベルはどんなときに表示されますか?
「AI情報ラベルの表示条件は、Metaの生成AIツールと第三者検出のどちらですか?」の章で、2つの条件を表で整理しています
AI情報ラベルは広告主が管理画面でオン・オフできますか?
「AI情報ラベルで広告運用がつまずくのは、どんな前提ですか?」の章で、代表的な誤解として扱っています
AI情報ラベルを付ければ日本のステマ規制はクリアできますか?
「日本のステマ規制は、Web広告のAI情報ラベルと何が違うんですか?」の章で、枠組みの違いを比較しています
次に読むなら、この記事です