Meta Newsroomは2025年2月3日、Facebook・Instagramの広告に生成AI関連の開示ラベル「AI info」を導入すると発表しました。このページは2026年6月1日に更新されています。
更新により、第三者製AIツールの使用を自動検出してラベル表示する機能が加わりました(出典: Meta Newsroom・2025年2月3日発表/2026年6月1日更新)。広告主が管理画面で設定する項目ではなく、Meta側が条件に応じて自動で表示する仕組みです。本記事は原文を確認したうえで、広告主が押さえておくべき表示条件と実務への影響を整理します。
検証環境:Meta Newsroom公式発表(about.fb.com)/消費者庁公式サイト(caa.go.jp)/2026-08-08確認
この記事で分かることは次の3点です。
- 「AI情報」ラベルが表示される2つの条件と、表示位置が変わる分岐点
- Meta「GEM」など他のAI関連発表とラベルを混同しないための整理
- 日本の広告主が確認しておきたいステマ規制・景品表示法との関係
01結論|Meta広告の「AI情報」ラベルは2条件と1つの分岐で決まる
Meta公式発表によると、「AI情報」ラベルが表示される条件は2件です。1つは自社の生成AIツールで作成・大幅編集した場合です(出典: Meta Newsroom・2025年2月3日発表/2026年6月1日更新)。もう1つは、業界標準シグナルで第三者製AIツールの使用が検出された場合です。
フォトリアルな人物表現を含む広告は「Sponsored」表示の隣に、それ以外は「About this ad」内にラベルが格納されます。広告主が管理画面で切り替える設定ではありません。
02「AI情報」ラベルが表示される2つの条件|自社の生成AIツールと第三者AI検出
1つ目の条件は、Meta広告マネージャに搭載された生成AIツールで、広告のクリエイティブ(画像・動画)を作成または大幅に編集した場合です。軽微な編集にとどまり、かつフォトリアルな人物表現を含まない場合はラベル対象外です(出典: Meta Newsroom)。
2つ目の条件は、業界標準のシグナルによって第三者製AIツールの使用が自動検出された場合です。この機能は2026年6月1日の更新で追加されました。検出に使う具体的な技術の名称は、原文本文を直接確認しても記載がありません(出典: Meta Newsroom・2026年6月1日更新)。C2PAという業界規格の名前を挙げる報道・解説記事もありますが、Meta公式発表がその名称を用いている箇所は本記事の確認範囲では見当たりませんでした。
2つの条件を整理すると次のとおりです。
| 条件 | 判定主体 | 追加・開始時期 |
|---|---|---|
| ①自社の生成AIツールで作成・大幅編集 | Meta広告マネージャの生成AI機能 | 2024年ロールアウト開始 |
| ②第三者AIツール使用の自動検出 | 業界標準シグナルによる自動検出 | 2026年6月1日追加 |
どちらの条件も、広告主が自己申告する仕組みではなく、Meta側が広告クリエイティブを見て自動判定します。
03フォトリアルな人物が写る広告は「スポンサー」表示の隣にラベルが出る
「AI情報」ラベルは通常、広告の三点リーダーメニューの中にある「About this ad」という表示先にまとめて格納されます。ただし、フォトリアルなAI生成人物を含む広告では扱いが変わります(出典: Meta Newsroom)。
この場合、ラベルは三点リーダーの裏ではなく、「Sponsored(スポンサー)」表示のすぐ隣に直接表示されます。人物の実在性を誤認しやすいクリエイティブほど、目立つ位置に開示する設計です。
表示位置が変わるのは「フォトリアルな人物表現を含むかどうか」という1点だけです。ラベルが付くかどうかの判定条件(前章の2条件)とは別の軸であることに注意してください。
クリエイティブ審査の担当者は、フォトリアルな人物表現を含む生成AI広告を優先的に確認する運用にしておくと、想定外の位置にラベルが出て慌てる事態を防げます。
04判定フローで確認する、自社の広告に「AI情報」ラベルが付くかどうか
Meta公式発表による条件(出典: Meta Newsroom)を、広告主が自社のクリエイティブに当てはめて判定できるよう、4件の視点に整理しました。上から順に確認してください。
- 広告の作成・編集に生成AIツールを使ったか(Meta標準ツールでも外部ツールでも対象)
- Metaの生成AIツールを使った場合、変更は「大幅」か「軽微」か(軽微はラベル対象外の可能性)
- Metaのツールを使っていない場合、業界標準シグナルで第三者AI使用が検出されているか
- 上記いずれかに該当する場合、広告にフォトリアルな人物表現が含まれているか
4件の視点のうち、最初の2件はMeta標準ツールの利用有無、後の2件は検出条件と表示位置の分岐に対応します。自社で判断がつかない場合は、該当するクリエイティブを実際の広告の「About this ad」表示で確認するのが最も確実です。
社内で複数の制作ツールを併用している場合、担当者ごとに使うツールが異なりやすいため、この4件をクリエイティブ申請フォームのチェック項目に組み込んでおくと運用が安定します。
05Meta「GEM」と「AI情報」ラベルは別物、混同すると何を見誤るか
Meta広告の生成AI関連の発表には、「AI情報」ラベルのほかに「GEM(Generative Ads Recommendation Model)」もあります。Metaによると、2025年10月から12月の期間でGEMを改善しました。この結果、Facebookの広告クリックが3.5%増加したと発表しています(出典: Meta Newsroom・2025年第4四半期の実績)。原文の表現は「a 3.5% lift in ad clicks」、つまりクリック数の増加であり、CTR(クリック率)そのものではありません。
GEMは広告の表示先を決める配信最適化モデルで、広告主が操作する設定項目ではありません。一方「AI情報」ラベルは、広告クリエイティブへの生成AI利用を開示する表示です。扱う対象が異なるため、どちらも「Meta AI」という言葉でひとまとめにしないよう注意してください。数値の読み方は『Meta広告のGEM改善、CTR実測値をどう読むか』で詳しく解説しています。
Meta広告の発表を追う際は、発表文が指している製品名(GEM・「AI情報」ラベルなど)を1つずつ確認する習慣をつけると、混同による誤解を避けられます。
| 項目 | GEM | AI情報ラベル |
|---|---|---|
| 役割 | 広告表示先を決める配信最適化モデル | 生成AI利用の開示表示 |
| 操作主体 | Meta側のみ(広告主は操作不可) | Meta側が条件を自動判定・表示 |
| 広告主への影響 | 配信結果(クリック数等)に反映される | クリエイティブの作り方に依存する |
06ロールアウトの時系列|「AI情報」ラベルはいま何段階目か
「AI情報」ラベルのロールアウトは2024年に始まり、2025年を通じて対象が広がったとMetaは説明しています。2025年2月3日に発表ページが公開されました。2026年6月1日の更新では、業界標準シグナルによる第三者AI検出の機能が追加されています(出典: Meta Newsroom・2025年2月3日発表/2026年6月1日更新)。
段階的ロールアウトという性質上、アカウントによって表示の有無や挙動にばらつきが生じる可能性があります。自社の広告アカウントで「About this ad」の表示を定期的に確認することをおすすめします。
同じads-platformデスクでは、Google広告のtCPA・tROAS入札挙動の変更も進行中です。プラットフォームをまたぐAI関連アップデートの確認には『Google広告のtCPA・tROAS挙動、8月17日から何が変わるか』も参考にしてください。
07日本の広告主に関係するステマ規制と「AI情報」ラベルの違い
「AI情報」ラベルはMeta社内のプラットフォームポリシーであり、日本の法規制そのものではありません。日本では2023年10月1日から、ステルスマーケティング(ステマ)が景品表示法違反の対象になっています(出典: 消費者庁・2023年10月1日施行)。規制対象は「広告であるにもかかわらず一般消費者が広告だと判別できない表示」で、企業がインフルエンサー等の第三者に依頼した場合も対象に含まれます。
AI生成のインフルエンサー風コンテンツであっても、広告であることを隠していれば、この規制の対象になり得ます。ただし、Metaの「AI情報」ラベル表示が、日本のステマ規制上の表示義務を自動的に満たすかは判断が分かれます。消費者庁・Meta双方の公表資料を直接確認しても判断できませんでした(2026-08-08時点で確認)。個別の該当性は、消費者庁の公表資料の確認や専門家への相談を通じて判断してください。
景品表示法は、意図的な誇大表示だけでなく、過失による誤表示も規制対象です(出典: 消費者庁)。生成AIが自動作成した広告表現が結果的に事実と異なる内容になった場合も、この一般原則の対象になり得ます。法規制全体の整理は『広告表現の法規制まとめ|薬機法・景表法・ステマ規制の境界』を参照してください。
| 項目 | Meta「AI情報」ラベル | 日本のステマ規制 |
|---|---|---|
| 性質 | Meta社内のプラットフォームポリシー | 景品表示法に基づく法規制 |
| 開始・施行時期 | 2024年ロールアウト開始 | 2023年10月1日施行 |
| 対象 | 生成AI利用が条件に該当する広告 | 広告と判別できない表示全般 |
| 違反時の扱い | 表示ルールの適用はMeta側の運用による | 消費者庁による措置命令等の対象になり得る |
景品表示法は、日本国内の消費者に向けて表示を行う事業者を対象とする法律です。プラットフォーム(Meta)の所在地にかかわらず、日本向けに広告を出す事業者側が適用対象になり得ます。この点も含め、個別の該当性は専門家に確認してください。
08「AI情報」ラベルでつまずきやすい点|広告主が誤解しやすい3つの前提
つまずきやすい前提は3件です。Meta公式発表(出典: Meta Newsroom)と前章の内容を踏まえ、実務で見落としやすい順に整理しました。
- 「ラベルは広告主が管理画面でオン・オフできる」という誤解。実際はMeta側が条件を見て自動判定・自動表示する仕組みです。
- 「AI情報ラベルを付ければステマ規制を回避できる」という誤解。前章の通り両者は別の枠組みで、ラベル表示が法令順守を保証するものではありません。
- 「軽微な生成AI編集も含めて全部ラベルが付く」という誤解。軽微な編集でフォトリアルな人物を含まない場合は対象外です。
生成AI編集が軽微だからと「ラベル不要」と判断しても、フォトリアルな人物を含んでいれば表示対象になる、という見落としが起こりやすいパターンです。生成AIをどこまで広告クリエイティブに使うかという判断軸は『AIで作る広告クリエイティブ、任せる範囲と守る範囲の線引き』で整理しています。
第三者AIツールの検出は自動検出の機能である以上、新規に入稿した広告だけでなく、すでに配信中の広告にも段階的に適用される可能性があります。過去に入稿した広告についても、定期的に「About this ad」表示を見直しておくと安心です。
09「AI情報」ラベル対応チェックリスト
Meta・消費者庁の発表による一次情報(出典: Meta Newsroom・消費者庁)をもとに、広告主が確認すべき7件のチェック項目をまとめました。
- 自社の広告クリエイティブ制作に、Meta標準の生成AIツールを使っているか確認した
- 外部の生成AI・編集ツールを使っている広告があるか棚卸しした
- フォトリアルな人物表現を含む広告クリエイティブを洗い出した
- 該当する広告の「About this ad」表示を実際に確認した
- 生成AI利用の有無を、社内の広告制作フローに記録する仕組みがあるか確認した
- 日本のステマ規制(景品表示法)の対象になり得る表示がないか確認した
- 個別の該当性判断が必要なケースを、専門家に相談する体制があるか確認した
10FAQ
「AI情報」ラベルはどんな広告に表示されますか
Metaの生成AIツールで作成・大幅編集した広告か、業界標準シグナルで第三者AIツールの使用が検出された広告に表示されます(出典: Meta Newsroom)。
フォトリアルな人物が写っていない生成AI広告にもラベルは付きますか
条件に該当すれば付きます。ただし表示位置が異なり、「About this ad」内に格納されます。フォトリアルな人物を含む場合のみ「Sponsored」表示の隣に出ます。
「AI情報」ラベルとGEMは同じ仕組みですか
別の仕組みです。GEMは広告の表示先を決める配信最適化モデル、「AI情報」ラベルは生成AI利用の開示表示です。
日本語UIでの「AI情報」ラベルの表示文言は決まっていますか
Meta Newsroomの原文本文を直接確認しても、日本語UIでの具体的な表示文言は記載されていません(2026-08-08時点で確認)。地域によって表示のされ方が変わる場合があるとMetaは注記しています。
ステマ規制に違反すると「AI情報」ラベルを付ければ回避できますか
本記事で確認した一次情報からは、そのように読める根拠はありません。両者は別の枠組みであり、個別の該当性は専門家への相談が必要です。
広告主は「AI情報」ラベルの表示設定を管理画面で操作できますか
原文には、広告主が任意に設定・解除できるという記載はありません。Meta側が条件に応じて自動で判定・表示する仕組みです。