「Microsoft広告って、日本でも意味があるんでしょうか」。社内でこの話が出るのは、たいてい二つのきっかけからです。ひとつはGoogle広告の単価が上がってきたとき。もうひとつは、AI検索の話題に触れて「Copilotにも広告が出るらしい」と聞いたときです。
ただ、この問いは「使えるか/使えないか」で答えると必ず外します。日本から出稿する道は開いています。開いているのに広まっていないのは、開通しているかどうかではなく、割に合うかどうかの問題だからです。そして割に合うかどうかは、事業の中身ではなく、いくつかの事務的な条件で先に決まってしまいます。
この記事では、Microsoftの公式ドキュメントに書いてあることだけを使って、判断に必要な材料を並べます。「入れるべき」とも「不要」とも言いません。どの条件がそろったときに合うのかを、自分のアカウントに当てはめて判断できる形にするのがねらいです。
こんなふうに調べていませんか
- 「Microsoft広告 日本」で検索して、そもそも出稿できるのかを確かめている
- Google広告だけでは伸びず、次の一手を探している
- 上司から「Copilotにも広告を出せないのか」と聞かれて困っている
この記事を読み終えたときに手に入るもの
- Microsoft広告を入れるかどうかを、3つの判断軸で説明できるようになります
- 配信先の内訳を、検索の面とオーディエンスの面に分けて言えるようになります
- Google広告から取り込んだあとに手を入れる箇所が分かります
結論30秒でわかる、この記事の結論
- 日本からの出稿は可能です。判断が分かれるのは「合うかどうか」であって「できるかどうか」ではありません。
- 見るのは3点です。配信先が自社の客層に重なるか/入稿と通貨の手間を飲めるか/Google広告からの取り込みで工数が下がるか。
- Bingだけの話ではありません。検索の面とオーディエンスの面は別物で、設定画面でも別に扱われます。
本記事の内容は2026-08-28に、Microsoftの公式ドキュメント本文を直接開いて確認したものです。仕様は更新されるため、実行前にご自身のアカウントで再確認してください。
01Microsoft広告は日本でも使えるんですか?Web広告の選択肢として成立しますか?
高梨課長日本で出せるのかどうか、まずそこが分からなくて。試すにしても、社内を通す説明が要るんです。
鈴木さん出せます。ただ「出せる」で押すと、あとで通貨や入稿のところで詰まります。先に条件を3つ並べて、そのうえで持っていくのが早いですよ。
結論から書きます。日本からMicrosoft広告に出稿する道は開いています。公式ドキュメントは日本語を広告の言語として挙げており、管理画面の表示言語としても日本語と国コードJPの組み合わせが載っています(出典: Microsoft Advertising 公式)。ショッピングキャンペーンの提供国の一覧にも日本が入っています(出典: Microsoft Advertising 公式)。
そのうえで、判断は次の3点に絞れます。
- 配信先 — 広告が出る場所が、自社の客層と重なっているか
- 入稿と通貨の手間 — 日々の運用と、経理・レポートの手間をどれだけ増やすか
- 取り込みの効き方 — Google広告から持ってきたとき、どこまでそのまま動くか
この3つのどれかが自社にとって重い場合、他の2つが良くても続きません。逆に3つとも軽ければ、規模が小さくても置いておく価値が出ます。媒体の良し悪しではなく、自社の条件との噛み合わせで決める話だと考えてください。
この章のまとめ
日本からの出稿はできる。争点は可否ではなく、配信先・手間・取り込みの3点が自社に合うかどうか。
02Microsoft広告の配信先はどこですか?Web広告としてどこに出るんですか?
Microsoft広告は、大きく検索広告とオーディエンス広告の2種類で構成されています(出典: Microsoft Advertising 公式)。この2つは出る場所が違い、設定画面でも別々に扱われます。まずここを分けないと、「Bingにしか出ないなら要らない」という早すぎる結論になります。
検索広告が出るのは、Microsoft Bing、AOL、Yahoo、DuckDuckGo、Ecosia、その他のパートナーなどのサイトの検索結果です(出典: Microsoft Advertising 公式)。オーディエンス広告が出るのは、MSN、Microsoft Start、Microsoft Edge、Outlook.com、パブリッシャーパートナーなどのサイトです(出典: Microsoft Advertising 公式)。
なお、シンジケート検索(パートナーサイトの検索面)は特定の国でのみ利用できると明記されています(出典: Microsoft Advertising 公式)。日本のアカウントで実際にどこまで広がるかは、配信後のレポートで確かめる領域です。事前の資料だけで断定しないでください。
この章のまとめ
配信先は「検索の面」と「オーディエンスの面」の2系統。Bingだけの話ではない。
03検索の面とオーディエンスの面で、Microsoft広告の広告運用は何が変わるんですか?
ここで押さえておきたいのは、Edgeの新しいタブやOutlookは、検索していない人の目の前に出る枠だということです。検索広告と同じ気持ちで文言を書くと噛み合いません。同じアカウントの中に、性格の違う2つの媒体が同居していると考えるほうが実務に近いです。
違いは3か所に出ます。ひとつ目は文言の役割です。検索の面では、探している言葉への答えを先に置く形が働きます。オーディエンスの面では、まず目を止めてもらう役割が先に来ます。
ふたつ目は評価の速さです。検索の面は意図がはっきりしているぶん、短い期間でも判断材料が集まりやすい領域です。オーディエンスの面は、そもそも検討を始めていない人に触れるため、同じ物差しで測ると必ず見劣りします。
みっつ目は除外の考え方です。公式は、オーディエンス広告から抜けたい場合にウェブサイトの除外を使うことを勧めています(出典: Microsoft Advertising 公式)。検索の面だけで回したいなら、この設定を先に確認してください。
この章のまとめ
面が違えば、文言の役割・評価の速さ・除外の考え方が変わる。同じ物差しで並べない。
04AI検索の面にも出るというのは、どういう意味ですか?
若葉さんあの、そもそもなんですが…「CopilotにMicrosoft広告が出る」というのは、ChatGPTの回答に広告が混ざるようなイメージなんでしょうか。
鈴木さん近いですが、別物です。Microsoftが公式に言っているのは自社のAI面に出すという話で、他社のAI検索の話ではありません。そこを混ぜると社内説明が崩れます。
Microsoftは2026-04-21付の公式ブログで、AI Maxという機能を発表しています。そこでは、Copilot SearchやCopilot AnswersといったAI面と、Bingに広告を配信するという説明がなされています(出典: Microsoft Advertising 公式ブログ)。同じブログで、広告主がAI Maxにオプトインすることで仕組みを方向づける、という趣旨も書かれています。
読み違えやすいのはここです。「AI検索に広告が出る」は、Microsoftの面の話に限られます。ChatGPTやPerplexityなど他社のAI検索に、この設定で広告が出るわけではありません。社内で「AI検索対策としてMicrosoft広告を入れる」と説明すると、期待と結果がずれます。
この章のまとめ
Microsoftが言うAI面はCopilot SearchとCopilot Answers。他社のAI検索対策とは別の話として扱う。
05Microsoft広告の配信設定は、Web広告の管理としてどちらを選ぶんですか?
配信先は、広告グループの設定で選びます。公式ドキュメントが挙げている選択肢は2つです(出典: Microsoft Advertising 公式)。
- Microsoft Advertising Network 全体(推奨) — Microsoftのサイトに加え、選択されたパートナーのトラフィックと、追加のパートナーのトラフィックを含みます
- Microsoftのサイトとトラフィックを選択 — Microsoftのサイトと、選択されたパートナーのトラフィックに絞ります
公式は前者を推奨しており、リーチが広がることとクリック単価が下がることを理由に挙げています。一方で、パートナーのサイトは集計で報告されるためドメインごとの内訳は見られない、とも明記されています。
つまり、広げるほどリーチは伸びるが、どこに出たかの解像度は落ちるという交換関係があります。ブランド保護の要求が強い商材や、配信先の説明責任がある案件では、この点が実務上の分かれ目になります。公式は、ウェブサイトURL(パブリッシャー)レポートを実行して、除外の機能で特定のサイトを外す運用を案内しています。
この章のまとめ
配信範囲は2択。広げるとリーチが伸び、内訳の見え方は粗くなる。交換関係として扱う。
06日本のアカウントで、Microsoft広告の通貨はどうなるんですか?広告運用に影響しますか?
大森部長これは経理の話にもなるな。円で管理できないと、社内の予実がややこしくなる。
鈴木さんそこはドキュメントを開いて確認しておくべき箇所です。入札と予算に使える通貨と、コンバージョンの収益として送れる通貨は、別の一覧になっています。
Microsoftの公式ドキュメント「Microsoft 広告通貨」は、通貨を2種類に分けて説明しています(出典: Microsoft Advertising 公式)。
ひとつは入札通貨と予算通貨です。アカウントを設定するときに選ぶもので、最小入札価格や1日の最小予算がこの通貨で決まります。確認した時点でこの一覧に並んでいたのは、米ドル・ユーロ・英ポンド・オーストラリアドル・カナダドル・香港ドル・シンガポールドル・中国元・新台湾ドルなどで、日本円は載っていませんでした。
もうひとつはコンバージョン目標の収益通貨です。こちらの一覧にはJPY(日本 円)が挙がっています。同じページには、UETイベントがアカウント通貨と違う通貨で収益を送る場合は通貨パラメーターを明示的に渡す必要があり、渡さないと収益レポートが膨らむおそれがある、という注意も書かれています。
同じ「通貨」という言葉でも、指している対象が違います。支払いに使う通貨と、成果として受け取る値の通貨は別の設定だと理解しておくと、ドキュメントの読み違いが減ります。
この章のまとめ
入札・予算の通貨と、コンバージョン収益の通貨は別の一覧になっている。指している対象が違う。
07通貨を決める前に、Microsoft広告の広告運用で確かめる項目は何ですか?
通貨の話は、担当者ひとりで完結しません。経理・情報システム・制作の3者に確認が回ります。着手してから気づくと、そのたびに止まります。先に潰しておく項目を並べます。
実務としては、次の順で確かめてください。
- 自社が作るアカウントで、どの通貨が選べるかを申込画面で確認する
- 選んだ通貨が、社内の予実管理・請求処理でどう扱われるかを経理と合意する
- コンバージョンの収益を送る場合、通貨パラメーターの受け渡しをタグ側で確認する
この章のまとめ
日本円の扱いは資料で決めつけない。申込画面で選べる範囲と、経理の合意で確定させる。
08Microsoft広告の広告文は日本語で入稿できますか?広告運用の手間は増えますか?
日本語は、広告やキーワードの作成に使える言語として公式に挙げられています(言語コードはJA)。管理画面の表示言語としても、日本語と国コードJPの組み合わせが載っています(出典: Microsoft Advertising 公式)。日本語で書けないという心配は不要です。
ただし、機能によっては言語のサポート範囲が違います。同じページのカウントダウンカスタマイザーの対応言語一覧には日本語がなく、構造化スニペットのヘッダーには日本語の訳語が用意されています。「日本語が使える」は機能ごとに確かめる性質のものだと考えてください。
文字数の制約も押さえておきます。公式が挙げているのは、見出しが30文字、説明が90文字、パスが15文字という上限です。加えて、最終URLのホスト部分に35文字の上限があるとも書かれています(出典: Microsoft Advertising 公式)。長いサブドメインを使っているサイトは、ここで引っかかることがあります。
運用の手間という観点では、日本語入稿そのものより「Google広告と別に、もう一つ管理画面が増える」ことのほうが重いはずです。次の章の取り込み機能は、この手間をどこまで減らせるかの話になります。
この章のまとめ
日本語入稿はできる。ただし機能ごとに対応が違う。文字数とホスト名の長さは事前に測っておく。
09Microsoft広告のショッピングは日本で使えますか?広告運用の判断はどこですか?
ショッピングを動かしている事業者には、ここが一番の関心事かもしれません。公式ドキュメント「製品広告」は、Microsoftショッピングキャンペーンおよび製品広告が提供されている国の一覧を掲げており、その中に日本が含まれています(出典: Microsoft Advertising 公式)。
一方で、Google広告からのインポートを説明する別のページには、既存のGoogleカタログを使う場合の「販売国」フィールドで対応している国の一覧があり、確認した時点でそこに日本の記載はありませんでした(出典: Microsoft Advertising 公式)。
つまり、提供国の一覧と、取り込み時の販売国の一覧は別のページにあり、内容が一致していません。どちらかが古い可能性もあります。ショッピングを移す計画があるなら、両方のページを開いたうえで、実際の管理画面で選べるかどうかまで確かめてください。ここは資料だけで結論を出さない箇所です。
もうひとつ、計測の話です。レポートサービスが返す実績と製品パーティションの構造は、管理画面の表示に対して最大1時間遅れると明記されています(出典: Microsoft Advertising 公式)。設定した直後に数字を見て「動いていない」と判断しないでください。
この章のまとめ
ショッピングの提供国に日本は入っている。ただし取り込み時の販売国の一覧とは食い違うので、両方を確認する。
10Google広告からの取り込みは、広告運用の工数をどれくらい減らしますか?
高梨課長正直、もう一つ媒体が増えるのがつらいんです。ゼロから作り直しなら手を出しません。
鈴木さんそこは公式のインポート機能があります。ただし「そのまま動く」ではなく「大半は移るが、変換されるものがある」という理解が正確です。移したあとに開く画面が決まっています。
Microsoftは、Google広告からキャンペーンを取り込む機能を公式に用意しています。公式ドキュメントは、初回のインポートで持ち込まれる項目と、再インポート時に更新される項目を表で示しています(出典: Microsoft Advertising 公式)。
取り込みの上限も公開されています。キャンペーンは20,000件まで、といった形で、エンティティの種類ごとに件数の上限が並んでいます。通常の規模のアカウントであれば、上限に当たることは考えにくい水準です。
工数の観点でいうと、構造とテキストの移送はかなり自動化されていると言えます。キャンペーン名、予算、状態、キーワードとその一致タイプ、レスポンシブ検索広告の見出しと説明、各種の広告表示オプション、除外キーワードのリストなどが移ります。ラベルも、キャンペーンから広告グループ、広告、キーワードまで各階層で取り込めると書かれています。
減らないのは、移したあとの点検と、移らなかったものの作り直しです。ここを見積もりに入れておかないと、「思ったより手が空かない」という不満になります。
この章のまとめ
移送そのものは自動化されている。工数が残るのは、移したあとの点検と作り直しのほう。
11取り込んだあとに直す必要があるのは、Web広告のどの設定ですか?
公式ドキュメントが明記している「変換される・移らない」項目のうち、実務で影響が出やすいものを挙げます(出典: Microsoft Advertising 公式)。
入札戦略は、Microsoft側でサポートされていないものがあります。その場合、オーディエンスキャンペーンは手動クリック単価に、それ以外は拡張CPCに既定で設定されると書かれています。Microsoft側にコンバージョン目標がない状態でインポートすると、コンバージョン目標を必要としない戦略へ変換される、という記述もあります。
入札と予算は、Microsoft側の最小値に合わせて引き上げられます。低すぎる入札や予算は、最小値を満たすように上がると明記されています。ここを知らずに移すと、想定より早く消化します。
この2つは、移送の当日に開くべき箇所です。「移した」と「動く状態になった」の間には、この点検が挟まります。
この章のまとめ
最初に開くのは入札戦略と予算。どちらも置き換わっている前提で、当日のうちに確かめる。
12オーディエンスと動画は、Microsoft広告の広告運用でどう変わりますか?
構造やテキストと違い、オーディエンスと動画は「そのまま運べないもの」を含みます。ここを知らずに移すと、リストの精度が落ちたことに気づかないまま配信が始まります。
オーディエンスは、種類によって扱いが分かれます。ウェブサイト訪問者のリストは条件つきで移りますが、日付を指定したリストや特定のタグに基づくリストは移りません。メンバーシップ期間が180日を超えるものは、インポート中に180日へ引き下げられます。Googleアナリティクスで作成したリマーケティングリストは移らない、とも書かれています。
ユーザー属性は年齢と性別だけが移り、保護者のステータスや世帯収入は移りません。年齢の区分もそのままではなく、Google側の35〜44がMicrosoft側の35〜49に、55〜64が50〜64に対応します。45〜54の区分はインポートされません。
動画は、YouTubeの利用規約による制限のため、動画ファイル自体は移りません。配信するには自分でアップロードし直す必要があります。
URLの追跡では、utm_sourceの値がgoogleやGoogleAdsなどであれば、bingに置き換わると書かれています。計測の集計軸を触るので、社内のダッシュボード側と突き合わせてください。
この章のまとめ
リストの期間短縮、年齢区分のずれ、動画の非移送、集計軸の置き換え。この4点は見落としやすい。
13Microsoft広告に向いているのは、どんなWeb広告の使い方ですか?
ここまでの材料を、向き不向きの形に整理します。判断は積み上げです。下の段が満たされていないのに上の段だけを見ても、成果にはつながりません。
1段目は、既存のGoogle広告が安定していることです。取り込み機能が前提になるので、移す元が整っていないと、雑な構造をもう一つ増やすだけになります。検索語句の整理も除外の設計も、元のアカウントの質がそのまま複写されます。
2段目は、配信先が客層と重なることです。Edgeの新しいタブ、Outlook、MSNといった面に、自社の見込み客が日常的に触れているかを考えてください。法人向けで、業務用のパソコン上での接触が多い商材は、この面と相性が出やすい領域です。
3段目が、運用の手間を吸収できる体制です。管理画面がもう一つ増えます。レポートの様式も、コンバージョンの定義も、Google広告とそろえる作業が発生します。ここを吸収できるかどうかで、続くかどうかが決まります。
この章のまとめ
合う条件は積み上げ。既存アカウントの整備 → 客層と面の重なり → 運用体制、の順で確かめる。
14逆に、Microsoft広告をいま入れないほうがいいのは、どんな広告運用ですか?
大森部長入れない判断も、根拠を持って説明できるようにしておきたい。やらない理由が「なんとなく」だと、来期また同じ話が出る。
鈴木さんそのとおりです。やらない理由も条件で書いておくと、条件が変わったときに再検討の合図になります。
次のいずれかに当てはまるなら、今は見送るという判断にも十分な根拠があります。
- Google広告の構造がまだ整っていない — 除外や検索語句の管理が追いついていない状態で取り込むと、問題ごと複製します
- 通貨や請求の条件が社内で通らない — 経理の合意が取れないまま始めると、途中で止まります
- 点検にあてる時間が確保できない — 取り込んだ直後の点検を飛ばすと、想定外の消化が起きます
- ショッピングが主戦場で、販売国の可否が確認できていない — 前述のとおり、公式ページの記載が食い違っています
見送る場合は、何が変わったら再検討するのかを1行で書き残してください。「Google広告の除外設計が終わったら」「経理と通貨の扱いを詰められたら」といった形です。これがないと、判断そのものが忘れられます。
この章のまとめ
見送りも正当な判断。ただし「何が変わったら再検討するか」を条件で残しておく。
15Microsoft広告の効果は、Web広告としてどう測ればいいですか?
測り方を決めずに始めると、続けるか止めるかの議論ができません。ここは出稿前に決めておく部分です。
まず、コンバージョンの定義をGoogle広告とそろえます。Microsoftのインポート機能は、コンバージョン目標をGoogle広告と同じ設定で持ち込むと書かれています。属性方法、ルックバックウィンドウ、コンバージョンに含めるかどうか、プライマリとセカンダリの区別が同じ設定になる、という記述です。ただし、Google広告でデータドリブンアトリビューションを使っている場合は、ラストクリックに変換して取り込まれる、とも明記されています(出典: Microsoft Advertising 公式)。
次に、UETタグの設置を確認します。オンラインのコンバージョン目標を取り込んだ場合、イベントを受け取るためにサイト側でUETタグを設定する必要があると書かれています。タグマネージャー経由での設定にも触れられています。ここが抜けていると、配信は動いているのに数字が入りません。
最後に、レポートの遅れを見込みます。製品広告のページには、レポートサービスが返す実績が管理画面の表示に対して最大1時間遅れると書かれています。日次で判断する運用なら影響は小さいですが、当日の細かい確認をするときは頭に入れておいてください。
この章のまとめ
コンバージョン定義をそろえ、UETタグを確認し、レポートの遅れを見込む。この3点が測定の前提。
16Google広告とMicrosoft広告の数字は、Web広告として横に並べていいんですか?
並べること自体は構いません。危ないのは、そろっていない土台のまま比較して、片方を過小に見せてしまうことです。ずれる要因は3つあります。
ひとつ目は、アトリビューションです。前述のとおり、Google広告でデータドリブンアトリビューションを使っている場合、取り込み時にラストクリックへ変換されます。最後の接点だけで評価される側は、間接的な貢献が小さく見えます。
ふたつ目は、面の構成です。片方は検索の結果画面が中心で、もう片方はオーディエンスの面を含んでいる、という状態で単価だけを比べると、意味のない比較になります。面を分けたレポートで並べてください。
みっつ目は、母数です。規模が違う媒体を並べたとき、率の指標は少ない側が大きく振れます。小さい母数で出た率を、そのまま「勝ち」「負け」と読まないでください。
この章のまとめ
比較の前にそろえるのは、アトリビューション・面の構成・母数の3つ。そろえずに率だけ並べない。
17よくある質問
Microsoft広告は日本の会社でも出稿できますか
公式ドキュメントは、日本語を広告の言語として、また管理画面の表示言語として挙げています(出典: Microsoft Advertising 公式)。ショッピングキャンペーンの提供国の一覧にも日本が入っています。実際にどの設定が選べるかは、アカウントの申込画面で確認するのが確実です。
Microsoft広告はBing以外のどこに配信されますか
検索広告は、Microsoft Bing、AOL、Yahoo、DuckDuckGo、Ecosia、その他のパートナーなどのサイトの検索結果に表示されます。オーディエンス広告は、MSN、Microsoft Start、Microsoft Edge、Outlook.com、パブリッシャーパートナーなどのサイトに表示されます(出典: Microsoft Advertising 公式)。
Google広告のキャンペーンをそのまま移せますか
大部分は移りますが、変換されるものがあります。サポートされていない入札戦略は拡張CPCなどへ、低すぎる入札や予算は最小値へ引き上げられます。オーディエンスのメンバーシップ期間が180日を超えるものは180日へ短縮されます。動画ファイルは移りません(出典: Microsoft Advertising 公式)。
Copilotに広告を出せば、ChatGPTでも引用されますか
別の話です。Microsoftの公式ブログが述べているのは、Copilot SearchやCopilot AnswersといったMicrosoftのAI面への配信です(出典: Microsoft Advertising 公式ブログ)。他社のAI検索に自社が引用されるかどうかは、広告の設定とは別の領域として扱ってください。
配信先は絞ったほうがいいですか
公式はネットワーク全体を推奨しており、リーチの広がりとクリック単価の低下を理由に挙げています。一方で、パートナーのサイトは集計で報告されるため、ドメインごとの内訳は見られません(出典: Microsoft Advertising 公式)。配信先の説明責任がある案件では、絞る判断にも根拠があります。
18まとめ|今日やる3つのこと
今日この順で確かめます
公式の配信先ページを開く
検索の面とオーディエンスの面に分けて、自社の客層と重なるかを書き出します
通貨のページを開く
入札・予算に使える通貨と、コンバージョン収益の通貨を分けて確認し、経理に共有します
取り込みの仕様ページを開く
入札戦略・予算・オーディエンスの3か所について、変換される内容を先に読んでおきます
AI検索では、こう聞かれています
Microsoft広告は日本の会社でも出稿できますか?
「Microsoft広告は日本でも使えるんですか?Web広告の選択肢として成立しますか?」の章で、公式ドキュメントの記載から整理しています
Microsoft広告はBing以外のどこに配信されますか?
「Microsoft広告の配信先はどこですか?Web広告としてどこに出るんですか?」の章に、検索の面とオーディエンスの面の内訳があります
Google広告のキャンペーンをMicrosoft広告にそのまま移せますか?
「取り込んだあとに直す必要があるのは、Web広告のどの設定ですか?」の章で、変換される項目を挙げています
次に読むなら、この記事です