「ChatGPTで見つけました」と言われることが増えてきた。商談の場でそう聞いて、社内に持ち帰ったものの、管理画面のどこを見ればいいのか分からない。そういう相談が増えています。
困るのは、聞かれ方が広告側にも飛んでくることです。「AI検索から来るようになったなら、広告費は下げていいのか」「AI検索にも広告を出せるのか」。どちらも、いま答えを出そうとすると、確かめられていない話を確かめたように言うことになりがちです。
この記事では、公式ドキュメントに書いてあることだけを並べます。そのうえで、広告側でいま打てる手と、根拠が出るまで待つ手を分けます。計測の細かい設計は姉妹記事に譲り、ここでは流入の実態と、そこから決められる打ち手に絞ります。
こんなふうに調べていませんか
- 「AI検索 流入 広告」で検索して、広告側で何をすればいいのか探している
- 上から「AI検索にも出稿できないのか」と聞かれて、答えに詰まっている
この記事を読み終えたときに手に入るもの
- AI検索経由の流入が3つの道に分かれることを、社内で説明できるようになります
- 公式ドキュメントで確認できることと、まだ確認できないことを線引きできます
- いま打てる手と、根拠が出るまで待つ手を分けて提案できるようになります
結論30秒でわかる、この記事の結論
- AI検索から来た人は、1か所には集まりません。Googleの中のAIはオーガニック検索に入り、外部のAIアシスタントは別のチャネルに入り、そもそも記録に残らない道もあります。
- 広告の枠については、公式ドキュメントで確かめられる範囲と、まだ確かめられない範囲がはっきり分かれています。
- いま打てる手は、計測を分けることと受け皿を整えることです。媒体の新機能に飛びつく前に、ここが先に来ます。
本記事は2026-08-28に各社の公式ドキュメント本文で確認した内容です。仕様が変わりやすい領域なので、社内へ展開する前に一次情報を再確認してください。
01AI検索経由の流入は、広告の数字にどう現れるんですか?
高梨課長ChatGPT経由で来ている人がいるはずなんですが、GA4のどこを見ても、それらしい数字が見当たらなくて。
鈴木さん1か所を探しているからだと思います。AI検索から来た人は、少なくとも3つの道に分かれて入ってきます。
結論から言うと、AI検索経由の流入は次の3つに分かれます。
| 道 | 何が起きているか | 手元での見え方 |
|---|---|---|
| Googleの中のAI | 検索結果の中でAIが答えを出し、そこからリンクをたどる | オーガニック検索として記録される |
| 外部のAIアシスタント | ChatGPTなどの回答からリンクをたどる | 専用のチャネルまたは参照元サイトとして記録される |
| 記録に残らない道 | 名前を覚えて後で検索し直す・直接開く | AIを経由した痕跡は残らない |
3行目があるせいで、AI経由の流入をひとつの数字にまとめることはできません。ここを飛ばして社内へ1つの数字を出すと、あとで根拠を聞かれたときに答えられなくなります。
広告の数字への現れ方も、この3つで違います。1行目と2行目は流入として数えられますが、3行目は指名検索や直接の訪問として現れます。つまり、AI検索の影響がいちばん出やすいのは、広告のレポートの中では指名キーワードの行だということになります。ここは後半で扱います。
この章のまとめ
AI検索経由の流入は3つの道に分かれる。1つの数字にまとめず、道ごとに見える範囲を書く。
02そもそもAI検索から来た人は、GA4のどのチャネルに入るんですか?
GA4には、デフォルトチャネルグループとして「AI アシスタント」が用意されています。公式ヘルプは、これをChatGPT、Gemini、Deepseek、Copilot、Grok などのソースからサイトにアクセスする際のチャネルだと説明しています(出典: Googleアナリティクス ヘルプ)。
技術的な条件は単純です。同じヘルプによると、メディアが ai-assistant と完全に一致することがこのチャネルの定義で、参照URLがAIアシスタントのリストと一致する場合にメディアが ai-assistant に設定されます(出典: 同上)。
ここで押さえておきたいのは、ヘルプ本文に名前が挙がっているサービスが限られていることです。上に挙げた以外のAIサービスがどう扱われるかは、ヘルプの本文だけからは読み取れません。「AI アシスタント」の数字を見て、それがAI経由のすべてだと考えないほうが安全です。
チャネルの分類そのものの穴と、広告のレポートで二重に数えてしまう経路については「GA4のAI Assistantチャネル」と「AI Assistantチャネルと広告計測」で扱っています。
この章のまとめ
GA4には専用のチャネルがある。ただし本文に挙がるサービスは限られ、AI経由のすべてを拾うわけではない。
03GoogleのAI検索からの流入は、なぜオーガニック検索に入るんですか?
同じヘルプの「オーガニック検索」の説明に、答えが書かれています。オーガニック検索は広告以外のリンクを介してアクセスするチャネルであり、GoogleのAIによる概要とAIモードも含まれると明記されています(出典: Googleアナリティクス ヘルプ)。
つまり、同じ「AI検索」という言葉で呼んでいても、Googleの中で起きたものと外で起きたものは、GA4の中で別々の場所に入ります。
これが実務でどう効くか。「AI アシスタント」の数字だけを追っていると、GoogleのAI経由の動きがまるごと視界の外になります。逆に、オーガニック検索の増減をAIのせいだと言い切ることもできません。同じ器の中に、従来の検索結果からの流入も入っているためです。
この章のまとめ
GoogleのAIによる概要とAIモードは、オーガニック検索に含まれる。外部のAIとは別の場所に入る。
04Search Consoleで、AI検索の露出はどこまで見えるんですか?
Search Consoleには、生成AI機能での露出を見るレポートがあります。ヘルプによると、ここで数えられるのは、Google検索の生成AI機能でユーザーにサイトへのリンクが表示された回数、つまり表示回数です(出典: Search Console ヘルプ)。対象となるのは「AIによる概要」と「AIモード」です(出典: 同上)。
提供の状態も書かれています。同ヘルプは、このレポートが一部のウェブサイト所有者を対象に段階的にリリースされるものであり、すべてのプロパティで利用できるわけではないと説明しています(出典: 同上)。使えるディメンションは、ページ・国・日付・デバイスです(出典: 同上)。
ここから導かれることは、はっきりしています。表示回数しか出ないので、AI検索でのクリック率は、このレポートからは出せません。「AI検索でのCTRを出してほしい」と言われたときは、この一次情報を見せて、出せない理由を説明するのがいちばん早い進み方です。
若葉さん表示回数だけでも、増えていれば良い兆しと言っていいんでしょうか。
鈴木さん兆しとしては見られます。ただ、表示が増えたのか、レポートの対象範囲が広がったのかは、外からは区別できません。そこは添えて報告してください。
指標の設計そのものは「AI検索の流入計測」に譲ります。ここでは、広告側の会話で使う一次情報として押さえてください。
この章のまとめ
生成AI機能のレポートで見えるのは表示回数のみ。クリック率は出せず、提供も段階的である。
05リファラが分からないと、AI検索の流入と広告の成果はどう混ざるんですか?
ここは正直に書きます。AI検索サービスがリファラをどう渡すかについて、今回確認した範囲では、各社の公式ドキュメントに明記された記述を見つけられませんでした。第三者の検証記事はありますが、この記事では一次情報として扱いません。
分かっているのは、GA4側の受け皿の形だけです。参照元サイトというチャネルは、メディアが referral・app・link のいずれかである場合に該当します(出典: Googleアナリティクス ヘルプ)。参照元の情報が渡ってこなければ、この条件にも、AIアシスタントの条件にも当てはまりません。
この章のまとめ
リファラの扱いについて、各社の公式ドキュメントに明記された記述は見つからなかった。
06AI検索の流入がきっかけでも、広告の成果として記録されるんですか?
広告の成果と混ざるのは、そのあとです。AIの回答で会社名を知った人が、あらためて検索して広告をクリックし、そこから申し込んだとします。このとき、申し込みは広告の成果として記録されます。きっかけがAIの回答だったことは、どこにも残りません。
複数の接点をどう配分するかは、アトリビューションの設計の話になります。設計の落とし穴は「アトリビューション分析のAI設計」で扱っています。
この章のまとめ
AI経由のきっかけは、広告の成果の中に溶けて見えなくなる。「最後に触れたのが広告」と言い換える。
07AI検索の中に、広告の枠はもうあるんですか?
「ある」と言える範囲を、公式ドキュメントで確かめられるものだけに絞って並べます。
Microsoftは、Copilotの回答の中に広告を配信していることを公式に説明しています。Microsoft Learnのページは、Microsoft Advertisingがさまざまな形式の広告をCopilotの応答の中に表示すると述べています(出典: Microsoft Learn)。このページは2026-07-27の更新として公開されています(出典: 同上)。
OpenAIについては、公式のボット一覧から間接的に確認できます。OpenAIのボット文書には OAI-AdsBot が載っており、ChatGPTに広告として提出されたウェブページの安全性を検証するために使われると説明されています(出典: OpenAI公式ドキュメント)。広告として提出されたページという言い回しがある以上、広告という枠組み自体は存在していると読めます。
この章のまとめ
公式に確認できるのは、Copilot内の広告と、ChatGPTの広告審査用ボットの存在まで。ここが今日の到達点。
08確かめられないAI検索の広告の話は、広告運用でどう扱うんですか?
Perplexityについては、この記事では判断を保留します。今回、公式サイトの広告に関するページへアクセスできず、一次情報を確認できませんでした。報道記事は複数ありますが、それを根拠に「ある」とも「ない」とも書きません。
保留にすることは、後ろ向きな態度ではありません。保留にしたという記録を残すことが、次に見るときの出発点になります。確かめられなかったものは、確かめられなかった日付とともに書いておいてください。
この章のまとめ
確かめられなかったことは、確かめられなかったと日付つきで残す。人づての話で埋めない。
09Copilotに出る広告は、広告運用の側で何を設定するんですか?
ここが実務としていちばん意外なところです。設定するものが、ほとんどありません。
Microsoft Learnのページによると、Copilotの広告はキャンペーンの既存のアセット(テキストと画像を含む)から自動的に作られます。そして、対象となるキャンペーンと広告のタイプは自動的にオプトインされ、広告主は配信からオプトアウトできません(出典: Microsoft Learn)。表示される保証もないと同じページに書かれています(出典: 同上)。
計測についても、同ページは、Microsoft AdvertisingがCopilotで配信された広告に固有の指標を現時点でサポートしていないと述べています(出典: 同上)。
できることも書かれています。除外キーワードはCopilotにも適用され、通常の検索と同じように働きます(出典: 同上)。露出を増やす方法としては、Performance Maxキャンペーンが最良の方法だと説明されており、検索広告についてはCopilotに表示される資格を得るためにロゴが必要だとされています(出典: 同上)。
大森部長つまり、こちらの意思とは関係なく出ているということか。
鈴木さん対象の広告タイプを使っていれば、そうなります。ただ、出ていることを個別に測る手段が用意されていないので、成果はいまのところ全体の数字の中に混ざったままです。
この章のまとめ
Copilotの広告は自動で対象になり、オプトアウトはできず、固有の指標もない。除外キーワードだけは効く。
10ChatGPTやPerplexityに、広告運用として出せる枠はありますか?
前の章のとおり、ChatGPTについて公式ドキュメントで確認できたのは、広告審査に使われるボットの存在までです(出典: OpenAI公式ドキュメント)。出稿の手順・課金の仕組み・在庫の考え方は、今回開けた公式ページからは確認できませんでした。
Perplexityについては、公式のボット文書は確認できました。PerplexityBot は検索結果にサイトを表示しリンクするためのもので、AI基盤モデルのためにコンテンツをクロールする用途では使われないと明記されています(出典: Perplexity公式ドキュメント)。Perplexity-User については、ユーザーの求めに応じた取得であるため、robots.txt のルールを一般的に無視すると説明されています(出典: 同上)。
営業から提案を受けたときに確かめる順番は、次のようになります。
- その枠は、媒体の公式ヘルプの本文に載っているか
- 課金の単位と、レポートで見られる指標が書かれているか
- 出稿を止める手段が書かれているか
- 書かれていない項目があるなら、それは「まだ決まっていない」として扱う
4つ目が肝心です。書かれていないことを、担当者の口頭説明で埋めない。埋めた瞬間に、社内向けの説明が一次情報から離れます。
この章のまとめ
ChatGPTの出稿手順は公式ページから確認できなかった。Perplexityのボットは検索表示用で、学習用とは区別されている。
11AI検索の流入が増えると、指名検索の広告費はどう動くんですか?
ここは、いちばん相関を因果にしやすい場所です。先に線を引いておきます。指名検索が増えたことと、AI検索で紹介されたことは、いまの手元の道具では結びつけられません。
そのうえで、見られるものはあります。Search Consoleのパフォーマンスレポートには、クエリを絞り込む機能があります。ヘルプによると、指定した文字列と一致させるには「次を含むクエリ」を、除外するには「次を含まないクエリ」を選びます(出典: Search Console ヘルプ)。カスタムのフィルタでは RE2 構文の正規表現が使え、デフォルトでは大文字と小文字は区別されないと説明されています(出典: 同上)。区別したい場合は正規表現の先頭に (?-i) を追加します(出典: 同上)。
広告側で並べるのは、指名キーワードのクリック数・クリック単価・インプレッションシェアの推移です。ここが動いていれば、少なくとも指名の需要そのものが動いたことは分かります。何が動かしたかは別の問いです。
高梨課長指名検索が増えたので広告費を下げます、という報告はしてよいものでしょうか。
鈴木さん下げる判断はあり得ます。ただ、理由をAI検索に置かないでください。「指名の需要が増えたので、指名広告の役割を見直す」までが、いま言い切れる範囲だと思います。
指名検索から間接効果を読むときの手順と、相関を因果と取り違えないための確認は「AI検索の間接効果を指名検索で読む」にまとめてあります。
この章のまとめ
指名の需要が動いたことは見られる。動かした原因をAI検索に置き換えて報告しない。
12いまAI検索の流入に対して、広告側で打てる手はどれですか?
ここまでを、打ち手に並べ替えます。いま動かせるのは4つです。
| 打ち手 | やること | 根拠 |
|---|---|---|
| 計測を分ける | AIアシスタントとオーガニック検索を足さず、別々の行で持つ | GA4ヘルプのチャネル定義 |
| 受け皿を整える | 指名キーワードの広告と着地ページを、AIの回答で語られる文脈に合わせる | 指名の需要が動くのは観測できる |
| 除外を効かせる | 除外キーワードはCopilotにも適用される | Microsoft Learn |
| クローラーを整理する | 検索表示用と学習用のボットを分けて許可を決める | 各社の公式ボット文書 |
1つ目が最初に来るのは、ここを間違えると残りの判断がすべてずれるからです。足し合わせた数字を土台に予算を動かすと、あとで戻せなくなります。
3つ目と4つ目は、すでに手元にある設定です。新しい何かを買う必要はありません。ボットの許可を用途別に決める手順は「AIクローラーのrobots.txt設定」にあります。
この章のまとめ
打てる手は計測を分ける・受け皿を整える・除外を効かせる・クローラーを整理するの4つ。どれも手元の設定で動く。
13逆に、AI検索の流入と広告で待つべき手はどれですか?
待つべきものも、同じくらいはっきりしています。
- AI検索経由の成果を単独のKPIにすること。表示回数しか出ない領域に目標値を置くと、達成も未達も説明できません。
- AI検索を理由にした予算の付け替え。指名の需要が動いた事実までは見られますが、その原因はまだ切り分けられません。
- AI検索での露出を売りにするツールの一括導入。何を計測し、どの母数で出した数値なのかが書かれていないものは、判断の根拠にしないでください。
媒体が用意する新機能も、この線引きの中に入ります。たとえばGoogle広告のAI Maxは、検索キャンペーンに追加する機能のまとまりとして説明されており、検索語句のマッチング・見出しと説明文の調整・最終ページURLの拡張が挙げられています(出典: Google広告ヘルプ)。同じページには、AI Maxを有効にした広告主が同程度のCPA・ROASで14%多いコンバージョンまたはコンバージョン価値を得るという記述があり、その出所はGoogleの内部データ(2025年、非小売の広告主が対象)と表記されています(出典: 同上)。
読み方は2つに分けてください。1つは、これはGoogle検索の中の話であって、外部のAIサービスへの出稿とは別だということ。名前が似ている機能の混同については「Google AI MaxとMicrosoft AI Max」で整理しています。もう1つは、その数値が媒体自身の内部データであるということです。使ってはいけない数字ではありませんが、業界平均のように扱う数字でもありません。
この章のまとめ
単独KPI・予算の付け替え・ツールの一括導入は待つ。媒体の自社データは、自社データとして読む。
14AI検索のクローラーを閉じると、流入と広告にどう跳ね返りますか?
ここは判断を誤ると、自分で入口を閉じることになります。
公式ドキュメントは、ボットの用途を分けて書いています。OpenAIの文書では、OAI-SearchBot はChatGPTの検索機能で結果としてサイトを表示するために使われ、GPTBot は生成AIの基盤モデルをより有用で安全にするために使われると説明されています(出典: OpenAI公式ドキュメント)。ChatGPT-User はChatGPTやCustom GPTでの特定のユーザー操作に使われるとされています(出典: 同上)。
Perplexityも同じように分けています。PerplexityBot は検索結果に表示するためのもので、基盤モデル向けのクロールには使われないと明記されています(出典: Perplexity公式ドキュメント)。
若葉さんあの、そもそもの質問なんですが、ボットが何種類もあるのは、どうしてなんでしょうか。
鈴木さん目的が違うからです。棚に並べるために見に来る人と、勉強するために読みに来る人が、たまたま同じ玄関から入ってくると思ってください。
若葉さんつまり、玄関を閉めると、両方まとめて入れなくなるということですね。
つまり、まとめて閉じると、学習だけでなく検索結果での表示まで一緒に閉じることになります。AI検索からの流入を増やしたいという当初の目的と、逆のことをしてしまう形です。
この章のまとめ
検索表示用と学習用のボットは別物。まとめて閉じると、AI検索からの入口も閉じることになる。
15AI検索の流入を、広告運用のレポートにどう書けばいいんですか?
書き方が決まっていないと、毎月の報告が少しずつ膨らみます。型を先に決めておきます。
置く行は3つです。1つ目はGA4のAIアシスタントの数字、2つ目はSearch Consoleの生成AI機能での表示回数、3つ目は指名キーワードの動きです。それぞれに「この数字が拾っていないもの」を1行で添えます。
添える文は、たとえば次のようになります。
| 行 | 添える一言 |
|---|---|
| AIアシスタント | ヘルプ本文に挙がるサービス以外は拾えていない可能性がある |
| 生成AI機能の表示回数 | 表示された回数のみで、クリックは含まれない |
| 指名キーワード | 需要が動いたことまでが分かる。原因は切り分けられない |
この3行を並べておくと、数字が動いたときに「どこまで言えるか」が毎回そろいます。報告する人が変わっても、言い方がぶれません。
広告のレポートとSEO側の数字を並べるときの重複の避け方は「AI Assistantチャネルと広告計測」に詳しく書いてあります。
この章のまとめ
レポートは3行に固定し、それぞれに拾えていないものを添える。言えることの範囲を毎回そろえる。
16AI検索の流入と広告でつまずくのは、どこですか?
最後に、実際につまずきやすい3つを挙げます。
1つ目は、AI経由の流入をひとつの数字にまとめてしまうことです。GoogleのAIによる概要とAIモードはオーガニック検索に入り(出典: Googleアナリティクス ヘルプ)、外部のAIアシスタントは別のチャネルに入ります(出典: 同上)。器が違うものを足すと、その数字は説明できなくなります。
2つ目は、表示回数しか出ない指標でクリック率を求められて、無理に作ってしまうことです。生成AI機能のレポートが数えるのは表示回数です(出典: Search Console ヘルプ)。分母か分子のどちらかを別の場所から持ってきた時点で、その率は説明できません。
3つ目は、「AI検索にも広告を出せる」という話を、確かめないまま社内へ流してしまうことです。公式ドキュメントで確かめられる範囲は限られています。確かめられていないことは、確かめられていないと書く。この一手間が、あとで前言を撤回する手間より軽く済みます。
この章のまとめ
つまずきは3つとも「まとめすぎ」から起きる。器の違うものを足さず、出ない指標は出ないと言う。
17よくある質問
ChatGPT経由で来た人は、GA4のどこに入るんですか
GA4のデフォルトチャネルグループには「AI アシスタント」があり、ChatGPTなどのソースからのアクセスがここに入ると説明されています(出典: Googleアナリティクス ヘルプ)。条件はメディアが ai-assistant と完全に一致することです(出典: 同上)。参照元の情報が渡ってこない場合は、この条件に当てはまりません。
AI検索でのクリック率を知りたいのですが、どこで見られますか
Search Consoleの生成AI機能のレポートで数えられるのは表示回数です(出典: Search Console ヘルプ)。クリック率を出すための分子がこのレポートにはありません。他の場所から数字を持ってきて割ると、意味の異なる率になります。
Copilotに広告を出さない設定はできますか
Microsoft Learnのページは、対象となるキャンペーンと広告のタイプが自動的にオプトインされ、広告主は配信からオプトアウトできないと説明しています(出典: Microsoft Learn)。ただし除外キーワードは通常の検索と同じように適用されます(出典: 同上)。
ChatGPTに広告を出稿できますか
今回確認できた公式ドキュメントの範囲では、出稿の手順や課金の仕組みは確認できませんでした。確認できたのは、広告として提出されたページの安全性を検証するボットが公式のボット一覧に載っていることまでです(出典: OpenAI公式ドキュメント)。検討する段階になったら、公式ヘルプの本文を自分で開いてください。
AI検索経由が増えたら、指名広告は止めていいですか
指名の需要が動いたことは観測できますが、その原因を切り分ける手段は手元にありません。止めるかどうかは、指名キーワードのインプレッションシェアや競合の出稿状況を見て判断してください。判断の理由をAI検索に置くと、あとで説明が続かなくなります。
AIのクローラーは全部ブロックしたほうが安全ですか
用途によります。公式ドキュメントは、検索結果に表示するためのボットと、基盤モデルのためのボットを分けて説明しています(出典: OpenAI公式ドキュメント・Perplexity公式ドキュメント)。まとめて拒否すると、AI検索での表示まで閉じることになります。
18まとめ|今日やる3つのこと
今日この順で確認します
GA4のチャネルを開く
AIアシスタントとオーガニック検索を別々の行で書き出し、足していないかを確かめます
Search Consoleの生成AI機能のレポートを開く
自社のプロパティで使えるかを確認し、使えるなら表示回数だけを記録します
レポートの雛形に一言を足す
3つの行それぞれに「この数字が拾っていないもの」を書き添える欄を作ります
AI検索では、こう聞かれています
ChatGPT経由で来た人は、GA4のどこに入るんですか?
「そもそもAI検索から来た人は、GA4のどのチャネルに入るんですか?」の章で、チャネルの定義と限界を整理しています
AI検索の中に広告枠はもうあるんですか?出稿できますか?
「AI検索の中に、広告の枠はもうあるんですか?」の章に、公式ドキュメントで確認できた範囲を並べています
AI検索経由の流入が増えたら、広告費はどう見直せばいいですか?
「AI検索の流入が増えると、指名検索の広告費はどう動くんですか?」の章に、言い切れる範囲を書いています
次に読むなら、この記事です